果樹の品種開発とその普及定着に向けた安定生産技術の開発

課題名 果樹の品種開発とその普及定着に向けた安定生産技術の開発
研究機関名 香川県農業試験場
研究分担 府中果樹研究所
研究期間 完H20~H24
年度 2012
摘要 目的:消費動向に対応した個性的な品種を開発し、本県オリジナル商材として有利販売を行うことができる技術を開発するとともに、生産者の高齢化や世代交代に対応した栽培技術の平準化、安全安心な果樹生産体系の構築により、果樹農家の収益性の向上を図る。
、成果:1)香川大学との共同研究で選抜された優良5系統を「香川UP-キ1~5号」と命名し、8月15日に種苗登録申請を行い、11月8日に出願公表された。
、2)カンキツ第10回系統適応性検定試験では、8系統について調査を行い、3系統について試験中止、5系統について継続調査とした。 ビワ第4回系統適応性検定試験では、3系統について場内および現地2ヶ所において調査を行い、1系統を試験中止、2系統を継続調査とした。モモ第9回系統適応性検定試験は、4系統について調査を行い、いずれの系統とも継続調査とした。カキ第7回系統適応性検定試験は、4系統について調査を行い、1系統を試験中止、3系統を継続調査とした。ブドウ第13回系統適応性検定試験は、3系統について調査を行い、いずれの系統とも継続調査とした。
、3)カンキツ5品種、ビワ4品種について、収量性や果実品質等の品種比較を行った。モモ18品種、カキ8品種、ブドウ11品種、キウイフルーツ32品種について収量性や果実品質等の品種比較を行った。
、4)極早生ウンシュウ「ゆら早生」の樹勢を維持するための摘果技術について検討を行った結果、樹冠上部摘果を行うことにより、樹冠の拡大が認められた。早生ウンシュウ「小原紅早生」の高品質果実生産のため摘果方法について検討した結果、後期重点摘果により果実品質や着色が改善された。県内の極早生温州10地点、早生温州20地点、中生温州1地点、普通温州14地点の各産地において、作柄および次年度の着花予測を行った。また、ウンシュウミカン4系統について場内での生育ステージ、果実肥大および時期別果実品質について調査した。いずれの品種とも夏場の乾燥により、高糖度の果実が生産された。ビワ、多発している果皮障害の発生軽減を図るため、遮光率の高い改良袋の適用性について検討を行った。その結果、熟期は遅くなるが、正品率は向上することを認めた。収穫直前の降雨により多発する裂皮を軽減するため、事前のドリップ灌水の効果を検討した。その結果、裂皮の発生度を2分の1程度まで軽減できた。ビワ6品種について、場内での生育ステージや生理障害の発生等について調査した。本年産については、着花(果)は多かったものの、早生品種を中心に冬季の寒害の発生が見られた。一昨年作成したビワ用カラーチャートの適用性について検討を行った。その結果、県内で栽培される主要品種に適用できると考えられた。モモ、「なつおとめ」は、成熟期に降雨が少なく日照が良好に続いた気象条件下では、果実地色がカラーチャート値1~2の状態で収穫することによりみつ症発生を回避することが可能と考えられた。また、収穫後、保冷温度10℃で5日程度、または保冷温度5℃で9日程度果実を保冷することにより高品質に保つことが可能と考えられた。「ひめこなつ」は10a当たり500本程度に植栽し、冬季に切返し予備枝設定を行うことにより、より若い新梢への更新が図られるとともに、コンパクトな樹冠形成が可能と考えられたが、果実は小さくなる傾向となった。モモの収穫適期判定を行うためのペーパー日射計として試作した異なる色調変化インク印刷の果袋(小林製袋産業(株)試作)が収穫時の果実品質に及ぼす影響について検討した結果、薄赤の色彩色調インク印刷が果実糖度、酸度や果面着色に対して好適であったが、果実硬度が低下する傾向にあった。ブドウ、「シャインマスカット」の小房生産における適正な着果方法を解明するため、1新梢上の着房数および果房重の違いについて検討を行った結果、1新梢上に2果房を着生させることにより、大房と同等の果粒肥大が得られ、糖度も高くなることが明らかとなった。キウイフルーツ、「香川UP-キ1~5号」の収穫期は、10月下旬と考えられ、5℃における貯蔵性は「香川UP-キ5号」が最も優れており、2月上旬までの貯蔵が可能であった。
、5)ハウスミカン、キウイフルーツの生育不良園において、原因解明と改善策を検討した。調査したハウスミカン園では、生育不良の原因は土壌のアルカリ化に起因する微量要素欠乏症状と判明し、葉面散布により改善した。キウイフルーツ園の生育不良の原因は、浅層地下水の滞留による湿害と考えられ、粘土層の破壊や暗渠を設置することにより改善した。
、6)モモうどんこ病の防除適期について検討を行い、落花後15日目前後の防除が効果的である傾向が認められた。また、カキ炭疽病は枝の発病が多いほど、果実の発病が多いことが明らかになった。天敵農薬(スワルスキーカブリダニ)について、ハウスミカンでは導入農家数を増やし、その有効性を確認した。ハウス不知火については4月下旬放飼が有効と考えられたが、夏期、乾燥時に防除効果の低下が認められた。カキノヘタムシガおよびカメムシ類についてフェロモン剤への誘捕殺状況について調査を行い、ヘタムシについては複数の産地で利用の可能性が確認された。また、ゴマダラカミキリについて被覆資材の塗布による産卵防止効果について検討を行った。
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 温州みかん かき カメムシ カラー 乾燥 キウイフルーツ 栽培技術 湿害 生理障害 炭疽病 農薬 びわ 品種 品種開発 フェロモン ぶどう 防除 もも その他のかんきつ

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