I 森林遺伝資源を活用した生物機能の解明と利用技術の開発

課題名 I 森林遺伝資源を活用した生物機能の解明と利用技術の開発
課題番号 2012020492
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 篠原健司
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 <研究内容>
有用広葉樹の遺伝資源の効果的な保存策の作成に活用するため、シラカンバ等について遺伝的多様性を評価する手法を開発し、地理的な遺伝変異を明らかにする。サクラの栽培品種の系統関係を解明するため、サクラ保存林の各系統の形態的特徴、病害特性と遺伝子型の統合的情報整備とデータベースを構築する。ウルシの有効活用と持続的な管理のため、ウルシの植栽適地や優良系統の成分特性を解明し、持続的管理・生産技術についてのマニュアルを構築する。スギ等樹木のゲノム情報の充実を図るため、収集したスギ完全長cDNA 等の塩基配列情報を公開する。正常スギと雄性不稔スギの花粉発達過程における遺伝子発現の差異を解析する。遺伝子組換えによる樹木の花粉発生制御技術を開発するため、必要なベクターの構築と評価を行う。マツタケ感染苗の林地定着技術を開発するため、アカマツ等再生個体を用いた人工シロ作製技術を開発する。きのこ産業の活性化に役立つシイタケの褐変化の原因を特定する。バイオテクノロジーの育種への利用技術を開発するため、雄性不稔候補遺伝子を導入した組換えスギの作出を進め、組換えスギの花粉形成能の評価を行う。組織培養による薬用機能性樹木ワダツミノキの増殖条件を解明する。
<成果の概要と活用>
シラカンバの地理的な遺伝変異の解明、サクラ保存林の各系統の形態的特徴、病害特性と遺伝子型の統合的データベースの構築、国産ウルシの持続的管理・生産技術マニュアルの作成、スギ完全長cDNA 等の塩基配列情報の公開、雄性不稔スギの遺伝子発現の解明、広葉樹を用いたマツタケのシロ作製技術の開発、シイタケ褐変化の原因特定、遺伝子組換えによるスギの雄性不稔化技術の開発等の全ての項目を達成した。さらに、原発事故による放射能汚染への緊急対応としてシイタケ等栽培きのこへの放射性セシウム移行低減技術の開発、次世代シーケンサーを利用した雄性不稔関連遺伝子の探索と遺伝マーカーの開発、ダイオキシンの微生物分解経路の発見とその分解酵素遺伝子の単離等多くの研究・開発を行った。特に、シイタケ等の放射性セシウム移行低減技術、サクラの各系統の遺伝子型等に基づくデータベースの公開、遺伝子組換えによるスギの雄性不稔化の成功は、行政施策や社会ニーズに対応した特筆すべき成果である。
カテゴリ 育種 遺伝資源 機能性 さくら しいたけ 新品種 データベース 品種

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