土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築

課題名 土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築
課題番号 2012020391
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 生駒泰基
竹原利明
協力分担関係 東京農工大
農環研
MKVドリーム株式会社
近畿大
岡山農水セ
静岡農林技研
高知農技セ
(株)アグリ総研
広島大
山形大
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 土壌微生物・病害虫診断技術の開発に関しては、a)ホウレンソウ萎凋病菌Fusarium oxysporum f. sp. spinaciaeの5領域の塩基配列を解析した結果、他の分化型13種の塩基配列情報と比較して特異的な配列を確認し、リアルタイム定量PCR用プライマーを作成した。Ct値とDNA濃度に有意な相関関係(P<0.01)を見出し、定量性を確認した。b)レタスビッグベイン病の媒介菌であるOlpidium virulentusの休眠胞子をレタス根から回収する方法を開発し、この精製休眠胞子を抗原として抗体を作製した。血清学的試験により、この抗体がO. virulentusに対して高い種特異性を有していること示した。c)アブラナ科野菜の根こぶ病について、病原菌、土壌、栽培植物の異なる計38点から病原菌密度-発病度曲線(DRC)データを作成し、土壌や品種の影響を評価した。
病害虫抑制を基幹とする野菜生産技術体系の開発に関しては、a)紫外線を赤色光に変換する光質変換新フィルム資材(紫、赤淡色、赤濃色)のうち、赤淡色資材下で生育させたホウレンソウ、葉ネギは、いずれの作期においても透明PO資材下より新鮮重が安定して大きい傾向を示した。ただし、赤淡色資材の日射透過特性は、8か月間の展張により変化することを確認した。b)夏作ホウレンソウの高品質・安定栽培を目的とした遮光制御栽培技術(収穫7~10日前、草丈約20cmの時に遮光を除去し晴天が2日続いた翌朝に収穫)は、収穫時まで遮光を継続する慣行栽培と比較して、硝酸含量を約2,200ppmに減少させ(慣行は約5,300ppm)、株重、葉色及びアスコルビン酸含量も向上させる傾向を示した。草丈も徒長を抑え出荷適正サイズになることを確認した。c)施設ナス栽培において、土着天敵を定着・涵養させる景観植物のスカエボラを混植すると、アブラムシ密度が低い条件下でも飛ばないナミテントウ成虫はよく定着し、防除効果が長期にわたって持続することを明らかにした。d)夏作ホウレンソウの土壌病害軽減のための生物的土壌消毒として、植物材料の鋤き込み・被覆の1か月間処理では、6月、6月中下旬~7月中下旬、7月の各処理期間のうち7月処理の効果が最も高いことを見出した。鋤き込み材料の違いは、カラシナ、エンバク、ソルゴーのいずれでもほぼ同じであることを明らかにした。e)ホウレンソウの環境保全的生産体系の営農試験地を京都府船井郡京丹波町瑞穂地区に選定し、光環境制御技術の現地実証試験を開始するとともに、病害虫の発生状況を把握した。夏作ホウレンソウにおいて、収穫前に遮光資材を取り除く遮光制御栽培を実施したところ、慣行の全期間継続遮光栽培と比較して、1株重が約30%増加し、葉色がSPAD値で約14%、アスコルビン酸含量が約70%向上すること、また、硝酸含量は半減することを確認した。
カテゴリ 病害虫 有機栽培 有機農業 あぶらな 害虫 からしな 環境制御 栽培技術 出荷調整 診断技術 土壌消毒 土着天敵 なす ねぎ 病害虫防除 品種 防除 ほうれんそう レタス

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