国際重要伝染病の監視技術の高度化と蔓延防止技術の開発・評価

課題名 国際重要伝染病の監視技術の高度化と蔓延防止技術の開発・評価
課題番号 2012020399
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 菅野徹
協力分担関係 北海道立総合研究機構
化血研
台湾家畜衛生試験所
富山化学工業
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 より特異性が高く現場で簡便に診断できる手法の開発と侵入防止対策に関しては、a)口蹄疫ウイルスO/JPN/2010株を接種したホルスタイン種牛の唾液サンプルに対して、標準法の間接サンドイッチELISA(IS-ELISA)では抗原が検出できなかったが、開発したMAb-sandwich ELISA(MSD-ELISA)では抗原検出が可能であった。b)平成22年の口蹄疫発生時におけるRT-PCR陽性を示した野外検体に対して、IS-ELISAの検出率は8.52%であったが、開発したMSD-ELISAはmulti serotypeの系で57.3%、single serotype (O)の系で64.04%と高い検出率を示した。c)口蹄疫ウイルスの非構造蛋白質に対する抗体を検出する3種類の市販ELISAキット(NSP-ELISA)の感度は、野外のウイルス感染ワクチン非接種動物において、液相競合ELISA(LPBE)や海外で既に報告されている感度よりも著しく低いことがわかった。d)口蹄疫発生時の早期の防疫体制を確立するため、農林水産省食の安全・消費者の信頼確保対策事業費補助金「口蹄疫簡易診断キット実用化促進事業」として我々が既に確立したイムノクロマト技術を発展させ、民間3社と共同研究開発体制を構築しキット開発を実施している。
病原体の伝播・存続様式の解明に基づく遮断方法の開発に関しては、a)口蹄疫ウイルスO/JPN/2010株の各動物種における病原性解析では、ウイルスを接種したホルスタイン種牛2頭及び同居牛2頭に、接種後1日及び5日目から鼻、舌及び蹄部に水疱が発症した。特に野外ではほとんど確認できなかった蹄部にも病変が起こることが判明した。b)口蹄疫ウイルス接種及び同居牛の血清、唾液及び鼻汁から高力価のウイルスが検出され、同居牛では水疱発症の2~4日前からウイルスが排泄されることを明らかにした。c)試験に供した牛4頭中、口蹄疫ウイルスを接種した1頭の食道・咽頭液から接種後33日目にもウイルスが分離されたことから、感染牛がキャリア化したことを確認した。
効果的なワクチンや薬剤の開発に関しては、a)口蹄疫ウイルスに対する抗ウイルス剤の豚での有効性評価では、台湾家畜衛生試験所において大規模豚感染試験を行い、抗ウイルス剤を飼料とともに経口投与された同居実験豚では、無投与群に比べ症状の軽減効果はあるが発症阻止効果はないことを明らかにした。
カテゴリ 簡易診断 飼育技術 防除 薬剤

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