信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化

課題名 信頼性確保のための原材料・生産履歴判別等の技術開発と標準化
課題番号 2012020412
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 吉田充
協力分担関係 国立医薬品食品研究所
農林水産消費安全技術センター
農業生物資源研究所
森林総合研究所
株式会社ファスマック
株式会社ニッポンジーン
株式会社島津製作所
産総研計量標準総合センター
日本原子力研究開発機構
日立エンジニアリング・アンド・サービス
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 米の品種識別法に関しては、平成23年度に開発したLAMP法を用いたコシヒカリの簡易迅速判別法の改良を進め、従来不安定であった5%以下の混入試料及び炊飯米の分析を可能にした。改良した手法に基づき、1時間以内にコシヒカリか否か判別できる手法を開発した。他の主要品種についても、マーカーの検討を進めている。
農産物・食品の産地等を高精度で判別する技術に関しては、a)蛍光指紋による農産物の産地判別では、国産と台湾産のマンゴーに関して、平成22年と平成23年の年次変動の影響を考慮しても誤判別率10%以下となる判別モデルを作成した。b)軽元素同位体比分析及び微量元素組成分析法による産地判別について、湯通し塩蔵ワカメについて、窒素同位体比を用いて鳴門産を三陸・中国・韓国産と区別できる可能性を示した。また、微量元素組成分の違いで中国産を判別できる可能性を見出した。c)これまでに構築した試験室間共同試験のデータベースに食品表示等に関するデータを60件追加した。その収録情報を利用して明らかにしたELISA法の分析性能についてウェブサイトでの情報公開準備を進めている。産業技術総合研究所と共催で玄米中無機元素分析の技能試験を実施し、分析値の精度管理に役立てられるよう、試験参加者に結果を通知した。
低レベル放射線照射履歴の検知技術の開発に関しては、a)殺菌目的の最低線量(貝は1 kGy、乾燥果実は4 kGy程度)照射でCEN標準分析法が定める骨及び糖ラジカル検知用ESRパラメータが適用可能であるが、骨ラジカルの測定パラメータではエビ殻に照射誘導ラジカルは検出できず、カニの殻に対してはパラメータの修正が必要なことを明らかにした。b)ダイズ、ナツメグ、カシューナッツのいずれも非照射試料では2-アルキルシクロブタノン類(2-ACBs)は検出されず、一方、照射により1.1~3.8 nmol/mmol前駆体脂肪酸/kGyの2-ACBsの生成を確認し、2-ACBsの照射履歴マーカーとしての有効性を検証した。
GM農産物における新規系統の検知技術の開発に関しては、a)平成23年度開発したGMトウモロコシ2系統の定量検知法について、試験室間共同試験を実施し妥当性を確認した。b)未承認GM系統の塩基配列を解析する方法として、GMダイズ及びトウモロコシの擬似混入試料を用いて、Ligation mediated suppression PCR(LMS-PCR)法の検討を行い、0.1%の混入まで塩基配列を解析できることを明らかにした。c)グループテスティング法を多様な作物種に適用するため、様々な農産物試料から直接リアルタイムPCR分析を可能とする方法を開発した。
分析値の保証に資する標準物質等の開発に関しては、a)GMトウモロコシ及びダイズの認証標準物質については、合計10セットを頒布した。b)一分子標準物質開発においては、DNA溶液を限界希釈して分注した後、リアルタイムPCRで標的DNAが1分子含まれる溶液を選抜する「限界希釈法」を確立し、その製造方法に関して特許出願を行った。また、「細胞法」及び「ナノポアによる核酸分離法」による一分子標準物質作製についても検討を進めた。
一般消費者の食品安全情報理解に関しては、残留農薬量に関する情報を、文章、グラフ、イラストの3種類の表示法で提示し、理解度の違いを調査し、文章や研究者向けの説明に用いられるグラフよりも、イラストによる表示が残留農薬量の適切な理解を促進させることを明らかにした。
カテゴリ 病害虫 乾燥 大豆 データベース とうもろこし ナッツ 農薬 品種 マンゴー

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