① 植物病原微生物の感染機構の解明と利用技術の開発

課題名 ① 植物病原微生物の感染機構の解明と利用技術の開発
課題番号 2012020462
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 石川 雅之
光原 一朗
落合 弘和
瀬尾 茂美
西村 麻里江
吉川 学
秋本 千春
竹内 香純
石橋 和大
協力分担関係 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
国立大学法人京都大学
国立大学法人筑波大学
国立大学法人東北大学
公立大学法人首都大学東京
北興化学工業(株)
学校法人近畿大学
(公財)岩手生物工学研究センター
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
東京農業大学
研究期間 -4
年度 2012
摘要 1.イネいもち病菌は、感染器官の表面をα-1,3-グルカンで覆ってイネの自然免疫から逃れている。イネいもち病菌と進化上非常に遠い関係にあるイネごま葉枯病菌や紋枯病菌もイネいもち病菌と同様に感染時にα-1,3-グルカンで菌体を覆うことにより宿主植物の自然免疫の認識を抑制して感染していることを新たに明らかにした。イネいもち病菌とイネごま葉枯病菌とは異なり、紋枯病菌ではα-1,3-グルカンが感染器官の構造維持に必須であった。また、α-1,3-グルカンが欠損した菌体に対してイネが菌の侵入前から抵抗性応答を活性化させることを見出した。本研究成果は、植物免疫の活性化による新たな病害防除法の開発に資することが期待される。
2.バイオコントロール細菌Pseudomonas fluorescens の植物保護能力に関わる抗菌性物質は、Gac/Rsmを介したシグナル伝達系の制御の下、二次代謝産物として産生されるが、その制御メカニズムについては不明な点が多い。本研究で、警告物質ppGppがGac/Rsmシグナル伝達系を正に制御しており、さらにppGppの蓄積はGac/Rsmによって負に制御されていることを明らかにした。ppGpp欠損変異株では野生株と比較して、植物保護能力および根圏への定着能が顕著に低下したことから、P.luorescensによるバイオコントロールにはppGppが重要な役割を果たすことが示唆された。
3.広範囲の植物において重要病害である青枯病に有効な病害抵抗性誘導物質は実用化されていない。そこで、幼植物を用いた効率的な検定法を新たに開発し、青枯病を抑制する天然物質の検索を進めている。24年度は、タバコから単離したスクラレオール等ジテルペンが、エチレンが関与する新規シグナル伝達系を部分的に介して青枯病抑制活性を発現することを明らかにした。また、青枯病抑制活性を示す酵母抽出液由来の液肥からその活性本体としてアミノ酸の一種ヒスチジンを同定した。さらに、20種全てのアミノ酸が抑制効果を示すこと、その効果は植物で誘起された抵抗性に因ることも明らかにした。
4.ウイルスは極端に速く進化して宿主に適応するため、植物がどのようにウイルスと共存しているかについては不明な点が多い。本研究では、野生トマトSolanum habrochaitesがもつトマトモザイクウイルス抵抗性遺伝子Tm-1の多数のアリルについて配列とウイルス増殖阻害能を調べることにより、この遺伝子がウイルス増殖阻害活性を強めるように進化してきたことを示す状況証拠を得た。さらに、ウイルスが強い抵抗性遺伝子を打破するにはより大きな代償を払う必要があることを示し、植物とウイルスの共進化機構について新たなモデルを提唱した。
5.トマトモザイクウイルスの複製タンパク質は、子孫RNAの5'末端にキャップを付加する反応を触媒するが、その過程で複製タンパク質はグアニリル化される。グアニリル化されうる複製タンパク質は、ジスルフィド結合を介して高分子量化していることを見いだした。複製タンパク質中の特定のシステイン残基をセリン残基に置換すると、複製タンパク質のグアニリル化能およびジスルフィド結合形成能とともに、ゲノムRNAおよび膜への結合能が失われた。このことから、これらのシステイン残基が関与する分子間相互作用が鍵となり、複製複合体形成の一連の過程が進行することが示唆された。
カテゴリ 青枯れ病 いもち病 ごま たばこ 抵抗性 抵抗性遺伝子 トマト 病害抵抗性 防除

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