⑤ 昆虫特異的な機能の解明と利用技術の開発

課題名 ⑤ 昆虫特異的な機能の解明と利用技術の開発
課題番号 2012020472
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 宮澤 光博
奥田 隆
加藤 祐輔
渡辺 裕文
平山 力
石橋 純
田中 博光
黄川田 隆洋
志村 幸子
コルネット・リシャー
協力分担関係 国立大学法人徳島大学
国立大学法人東京大学
国立大学法人群馬大学
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
(株)ゲノム創薬研究所
増田化学工業(株)
研究期間 -4
年度 2012
摘要 1.リグニン成分の少ない若葉を摂食するユウレイナナフシの一種(Eurycantha calcarata)の消化管から、新規なセルラーゼを抽出・精製することに成功した。精製した酵素は木質バイオマスへの活用を検討するため共同研究先に送付し、糸状菌トリコデルマに由来する酵素に添加して様々な条件下における最適なセルラーゼ組成の解析を進めた。またβ-グルコシダーゼ(BGL)の効率的な大量調製系を構築するため、大腸菌を用いてゴマダラカミキリ由来BGLの発現を試み、ユビキチン様タンパク質とのキメラ型として発現を行うことで発現効率を向上させることに成功した。
2.大腸菌を用いた外来遺伝子発現システムにおいて、翻訳レベルで遺伝子の発現調節を行う新しい組換えタンパク質の発現法の開発を行った。この手法を活用することにより、翻訳誘導時には最大レベルの発現、非誘導時には発現をほぼゼロに抑えた組換えタンパク質の発現システムを構築することができた。
3.23年度開発に成功したカブトムシディフェンシン改変ペプチドを含む抗菌加工剤について、マウスに対する急性経口毒性試験、細菌5菌株を用いた変異原性試験、ウサギを用いた皮膚刺激性、モルモットを用いた皮膚感作性、ヒト皮膚貼付試験を行った。その結果、繊維評価技術協議会が定める抗菌繊維の基準を満たし、抗菌加工剤の安全性が確認された。
4.遺伝子組換えカイコを用いて、タイワンカブトムシ由来ディフェンシンを利用した抗菌シルクの作製を行った。フィブロインL鎖に緑色蛍光タンパク質(GFP)とディフェンシンを融合させた「結合型」コンストラクトと、セリシンのシグナルペプチドにシルク結合ペプチド(SBP)とGFPおよびディフェンシンを融合させた「固定化型」コンストラクトを調製し、系統の異なる組換えカイコの作出を行った。組換えカイコの絹糸腺は、結合型および固定化型いずれも緑色蛍光を示し、営繭された繭も蛍光が観察された。ディフェンシン固定化繭は加熱による精練処理で蛍光の失活は観察されず、タンパク質の固定化にSBPが有効であることが示された。固定化型カイコ絹糸腺から抽出したゲル状シルクを薄膜状に調製すると、抗菌活性が顕著に現れることが示された。
5.次世代シーケンサーを用いて、ネムリユスリカ(Polypedium vanderplanki)とヤモンユスリカ(P. nubifer)のRNA-seq及びde novoゲノムシーケンスを行った。得られた塩基配列情報を結合させコンティグを作成し、ゲノム上の遺伝子予測を行った。両ゲノムの配列情報を比較した結果、ネムリユスリカのゲノムには、無代謝乾燥休眠時に誘導されるLEAタンパク質など乾燥耐性関連遺伝子のパラログクラスターが存在することが示され、この遺伝子クラスターをanhydrobiosisrelatedislands (ARID)と命名した。
カテゴリ カイコ 加工 乾燥 評価法

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