課題名 | (オ)赤潮プランクトン等有害生物の影響評価・発生予測・被害軽減技術の開発 |
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課題番号 | 2013023176 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
木元克則 山田東也 加藤修 山村織生 ?尾芳三 岡村和麿 井口直樹 豊川雅哉 樽谷賢治 渡邊達郎 松山幸彦 外丸裕司 清水学 桑原隆治 坂本節子 山口峰生 鬼塚剛 長井敏 中山奈津子 紫加田知幸 |
協力分担関係 |
広島大学 山形大学 独立行政法人水産大学校 名古屋大学地球水循環研究センター 高知大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 有害赤潮の短期動態予測技術を開発するため、大型自動観測ブイ4基及び水温ブイ5基を有明海及び八代海に設置してモニタリング網の 整備を行い、データを迅速に一般向けに公開するシステムを開発・改良して運用を開始した。八代海のシスト密度及び冬季気温から、遊泳細胞の初認日を推定する手法を開発するなど、現場観測データの解析を行うとともに、 3次元流動モデルを用いて八代海での流動水塊特性への外海水の影響を推定するなど、流動モデルの検証を行った。 有害赤潮藻シャットネラ属について、珪藻との競合関係、栄養特性、増殖に関与する遺伝子に関する情報、光の波長によるシスト発芽への影響を調べた。有害赤潮藻カレニア・ミキモトイについて、細胞分裂の各段階におけるDNA合成様態、増殖への塩分や栄養塩の影響等を 明らかにした。また、ノリ色落ち原因珪藻アステロプラヌス・カリアヌスの増殖と水温との関係、栄養塩摂取速度など、有害赤潮プランクトン及び競合生物の生理生態的特性を明らかにした。 有害赤潮渦鞭毛藻カレニア・ブレビスに形態的に酷似するカレニア・パピリオナシーを特異的に検出する分子生物学的手法を開発した。また、シャットネラ属の発現遺伝子情報を網羅的に蓄積した。さらに、底泥からのDNA抽出に基づくシャットネラ属の効率的な検出・同定 方法を開発した。これらの手法を都道府県の現場担当者に普及するため「新奇有害プランクトン同定研修会」を開催した。 有害赤潮による魚介類のへい死機構を把握するため、カレニア・ミキモトイの無菌化培養株を用い、マアジ等の生体並びに鰓培養細胞を用いた魚毒性試験を実施し、 これら試験手法の有効性を確認した。さらに、 魚類の赤潮耐性を強化する手法を開発するため、マアジを供試魚として、餌止めによるへい死軽減効果及び酸素消費量の抑制によるへい死軽減効果を推定した。貝類のへい死原因藻ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ発生時期の海水及び底泥から、殺藻因子の特異的出現を確認した。また、珪藻感染ウイルスについて、水温や塩分が殺藻効果や珪藻の増殖に及ぼす影響の種間差を明らかにした。カレニア・ミキモトイの鉛直分布、極大層の環境条件を明らかにし、 中層か ら表層へ細胞を浮上させる中空パイプ曳航法の開発を試みた。併せて、有害赤潮鞭毛藻類の鉛直移動リズム、強光阻害、遊泳行動への光の影響の種間差を調べ、赤潮藻の光による行動制御の可能性を示した。さらに、小型赤潮防除装置の開発、低濃度過酸化水素の添加による魚毒性の失活の確認など、有害赤潮プランクトン制御技術の開発を継続した。 黄海~東シナ海北部海域や対馬近海域において、民間船舶(国際フェリー)による目視調査及び調査船による分布調査を実施し、大型クラゲの発生や出現過程の実態解明を行った。韓国の排他的経済水域での調査船調査を実施し、計量魚群探知機を用いた大型クラゲ等の鉛直的な分布状況を把握した。また、 平衡器官である平衡胞の重量による日齢査定方法を開発し、大型クラゲの初期生態の推定を行った。第10回日中韓大型クラゲ国際ワークショップ等を通じて、大型クラゲ発生源水域の推定及び発生状況に関する国際的な情報交換を行うととも に、モニタリング調査と国際共同調査を実施し、 出現特性の把握を行った。 |
カテゴリ | 防除 モニタリング |