課題名 | (イ)優良形質種苗の作出及び安定生産技術の開発 |
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課題番号 | 2013023179 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
荒木和男 吉浦康寿 有瀧真人 藤吉栄次 尾島信彦 福井洋平 崎山一孝 濱田和久 岡本裕之 尾崎照遵 山野恵祐 正岡哲治 吉田一範 伏屋玲子 淡路雅彦 名古屋博之 山口寿哉 奥村卓二 奥澤公一 井上誠章 |
協力分担関係 |
東京海洋大 長崎大学 大阪府立大学大学院 国立医薬品食品衛生研究所 国立医薬品食品衛生研究所 奈良県立医科大学 東京農工大学大学 院 北海道大学 愛知県水産試験場 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | ブリのハダムシ抵抗性に関与する遺伝子領域(ハプロタイプブロック)を同定し、その有効性を証明するとともに、ハダムシ抵抗性家系の表皮では、ハダムシ感染前から特定の2種類の遺伝子の発現が高いことを明らかにした。ヒラメのレンサ球菌症抵抗性家系に特異的な1塩基多型の有無を調べ、発現遺伝子座の探索等を進めた。ノリの色落ちに関係する新規遺伝子等の構造を解明し、高水温耐性分子マーカーを同定するなど、優良形質に関与するDNAマーカー探索や遺伝子解析を進め、優良家系候補の選抜・継代を継続した。 ブリのハダムシ抵抗性家系からF2を作出し、 ヒラメの高水温耐性候補親魚を用いて種苗を生産するとともに、高水温耐性が期待できるノリの候補2品種を選抜した。さらに、筋肉の成長を抑制する蛋白質(ミオスタチン)の有用変異を持つトラフグ個体を得るなど、優良変異 体の選抜に取り組んだ。 マスノスケ成長ホルモン遺伝子が組み込まれたタイセイヨウサケにおいて、同遺伝子を検出する方法を開発した。また、コイとフナ属の 識別のための新たな6つのマーカー候補を得た。さらに、遺伝子組換えアマゴの肝臓での脂質代謝の解析、タイセイヨウサケとアマゴとの 河川内競合性の調査、遺伝子組換えアマゴの産卵期における生殖腺や婚姻色の調査、遺伝子組換えメダカと在来メダカとの交雑性の確認、受精後にX線照射したアマゴの成長調査など、遺伝子組換え生物にかかる安全性評価手法と検査手法の開発を継続した。 紫外線照射により生殖腺が確認されないヒラメ個体が得られ、ブリでは受精卵への紫外線照射条件の検討を進めるなど、紫外線等を利用 した不妊化技術の開発に取り組んだ。 ブリの人工種苗が給餌後に酸素欠乏によって死亡する危険性が示され、マハタでは光刺激が仔魚の減耗の一因になっていることが推察さ れた。また、カンパチの人工種苗は、尾部可食部長が天然種苗に比べて短いことを明らかにし、原因の解明を進めるなど、種苗期の大量減耗要因の抽出及び形態異常の出現状況の把握と軽減技術の開発を進めた。さらに、長日化がブリの生殖腺発達の引き金であると推察され、早期採卵により種苗生産可能な卵質が得られることが示された。カンパチでは、成熟に関わる主要因が日長であると特定され、その調節により非産卵期の採卵に成功した。マハタでは、市販配合飼料を与えた親魚の受精卵は栄養成分の含量が少ないことを明らかにするなど、早期採卵技術の高度化を図った。 アサリでは、パーキンサス病に感染していない人工種苗生産に取り組み、タイラギではアンモニア海水により精子運動が活性化されるこ とを明らかにした。クルマエビでは、雌の交尾器に精莢を挿入して産卵させ、ふ化幼生を得たことに加え、複数個体の産卵同調化技術を開発するなど、海産無脊椎動物における良質卵の安定確保に向けた親個体の産卵誘発・人工授精条件を把握した。さらに、約7万個体のタイ ラギ着底稚貝の生産に成功したほか、小型容器内で稚ナマコを1個体ずつ止水で飼育することを可能にするなど、海産無脊椎動物の幼生及 び稚貝等の適正な飼育条件を把握した。 |
カテゴリ | 環境対策 DNAマーカー 抵抗性 品種 |