課題名 | 新規直播技術を核とした安定多収水田輪作技術の開発 |
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課題番号 | 2013023000 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
住吉正 |
協力分担関係 |
佐賀県農業試験研究センター 福岡県農業総合試験場 丸和バイオケミカル 熊本大学 福岡県農林事務所北筑前普及指導センター 福岡県筑後市 佐賀県三養基郡上峰町 宮崎総農試 鹿児島農総セ (株)エス・ディー・エス バイオテック |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 汎用利用可能な表層散播機や、新規苗立ち促進素材等を用いた水稲直播栽培技術に関しては、 a) 黒ボク土圃場において、試作ローラと不耕起播種機を組合せた播種前鎮圧による漏水防止効果を確認した。鎮圧回数の増加は水稲の生育・収量に悪影響を及ぼさなかった。また、表層散播機と振動ローラを組合せた播種後鎮圧による漏水防止効果は、鎮圧時の土壌水分の飽和度が60%以上で効果が高まることを明らかにした。 b) 表層散播機での播種後の滞水による湿害を回避するため、鎮圧輪にスパイラル状の突起を追加する改良を加え、畝上面にミニ排水溝を設ける装置を試作した。 c) FOEAS圃場において、コムギ「ちくごまる」及び「ミナミノカオリ」は、地下水位を-40cmに制御した条件に比べて常時排水条件で高い収量を得た。また、ダイズ「フクユタカ」、「サチユタカA1号」及び「九州161号」に対して、降雨等の気象条件に応じた地下水位調節や全生育期間を-30cmに維持した地下水位制御を実施したが、増収効果は認められなかった。当該圃場は常時排水条件でも地下水位が-60cm程度に維持されており、地下水位制御の効果が出にくい圃場と判断した。これらのダイズ品種及び地下水位制御条件において、狭畦密植栽培によって、慣行に比較して約14%の増収効果を認めた。 d) 水稲種子の被覆法として、べんがら(酸化鉄)と三酸化モリブデンを用いた「べんがらモリブデン被覆」を選定した。硫安を施用した圃場条件での苗立ち率は、べんがらのみの被覆よりも、べんがらモリブデン被覆で高く、三酸化モリブデンの添加による苗立ち向上効果を確認した。 e) 現地試験において、べんがらモリブデン被覆による苗立ちは還元鉄被覆よりも優れ、過酸化カルシウム剤被覆と同等で、収量も差がないことを確認した。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、 九州地域において、 a) ムギ作における除草剤抵抗性雑草スズメノテッポウの埋土種子診断法のプロトタイプとして、蔓延被害の回避基準となるムギ播種時の埋土種子数10,000粒/m2を簡易に判断できる、前作ムギ収穫後の種子散布状況のスケール画像を作成した。 b) 飼料イネ乾田直播栽培では、雑草抑圧力の強い品種を用いた散播及び密播の導入によって、除草剤の処理回数を2回に削減できた。また、飼料オオムギ栽培では、晩播、散播及び密播の導入によって、除草剤を使用せずに実用上問題ない程度に雑草抑制を可能とした。 |
カテゴリ | 病害虫 FOEAS 乾田直播 管理技術 雑草 直播栽培 湿害 除草剤 水位調節 水田 水稲 大豆 抵抗性 低コスト 土壌管理技術 播種 品種 輪作 |