ゲノム情報を活用した麦・大豆の重要形質制御機構の解明と育種素材の開発

課題名 ゲノム情報を活用した麦・大豆の重要形質制御機構の解明と育種素材の開発
課題番号 2013023007
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 今井亮三
小松節子
協力分担関係 農業生物資源研究所
北大院農
名古屋大学
カネカ
理化学研究所・仁科センター
農水光学研
前橋工科大学
筑波大
韓国・忠北大
コールドスプリングハーバー研究所
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 ムギの越冬性に関しては、
a) フルクタンの季節変化と品種間差異のキー酵素遺伝子Wfh-sm3は、フルクタンが急激に増加する秋口後半に発現量が抑えられ、積雪下で発現が誘導されることを明らかにした。ラフィノース族オリゴ糖合成系遺伝子群においてTaMIPS、TaIMPはともに、TaGolSのような顕著な ハードニング応答性は示さないことを認めた。抗菌性タンパク質であるディフェンシン(TAD1)やマルチドメインシスタチン(MDC1)を高発現する春コムギ遺伝子組換え系統において、それぞれ雪腐病菌T. ishikariensisに対する抵抗性が向上することを示した。
b) フルクタン、ラフィノース合成酵素遺伝子について、導入した春コムギ系統の作出に成功した。
ムギの穂発芽耐性に関しては、オオムギ由来の休眠性遺伝子座の相補性検定を行うため、オオムギ形質転換系を確立し、遺伝子導入を開始した。また、新たに理化学研究所と共同で、重イオンビーム照射により「きたほなみ」から、アブシジン酸分解酵素を一部欠損した穂発芽耐性変異体候補の分離に成功した。アブシジン酸分解酵素遺伝子の機能欠失変異の集積は収穫適期の穂発芽耐性を向上させることを明らかにした。コムギの耐湿性については、根の酸素漏出バリア形成に関わる候補遺伝子OsNAC34、OsWRKY34を導入したコムギ系統を作出した。
ダイズの耐冷性及び耐湿性に関しては、
a) 冠水条件下で変動するタンパク質群を解析し、カルレテイキュリン及び70kDa熱ショックタンパク質等を中心としたタンパク質間相互作用の関与を認めた。
b) 「伊豫大豆」、「タチナガハ」間の耐湿性(低酸素条件下での発根量)に関するQTL領域について、それを導入した準同質遺伝子系統間における耐湿性の差異を明らかにした。大豆冠水誘導遺伝子FIS1とFIS2を大豆に導入し、遺伝子組換え大豆を作出した。冠水抵抗性イネ由来のSub1Aを導入した形質転換ダイズについて、耐湿性評価を行ったが、耐湿性の向上は認められなかった。
c) 遺伝子組換えによる耐湿性強化について、未だ有望育種素材を開発できていないが、複数の導入遺伝子についての高発現系統を得てお り、平成26年度から形質評価を行う。ダイズ耐冷性に関しては、Glyma08g11570ゲノム領域を導入した形質転換体6系統に由来するT1種子を得た。
カテゴリ 育種 大麦 水田 耐湿性 大豆 抵抗性 品種 輪作

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