課題名 | 成熟期の異なる良食味のカンキツ品種の育成と省力生産技術の開発 |
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課題番号 | 2013023045 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
吉岡照高 深町浩 |
協力分担関係 |
理研 九州大 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 食べやすく、機能性成分を含み、成熟期の異なる良食味のカンキツ品種の育成に関しては、a) 「興津60号」と「興津63号」は、特性把握は十分ではなく試験継続とした。「璃の香」(興津66号)はかいよう病に強い豊産性のレモンタイプの新たなカンキツとして有望であると判断し、品種登録出願を行った。「興津62号」と「興津64号」は、試験中止とした。b) 興津拠点と口之津拠点において36組合せの交配を 実施し、27組合せから合計1,991粒の種子を獲得した。c) 口之津拠点と興津拠点とあわせて2,105個体について果実を調査し、新たに14個 体を注目個体として予備選抜した。また、β-クリプトキサンチン高含有系統を1個体予備選抜した。 省力・低コスト安定生産技術の開発に関しては、a) 加工専用候補品種「かんきつ中間母本農6号」の果梗枝の引張強度は「青島温州」より大きいが、横向きの引張強度は小さく、引きもぎ収穫適性が高いと判断した。また、露地栽培「かんきつ中間母本農6号」の引きもぎ収穫 では損傷果の発生はなく、収穫時間を半減できた。b) 「かんきつ中間母本農6号」は、栽培地域や栽培法が異なると果実の糖度及び果肉・果皮のフラボノイド含量にバラツキが生じることを認めた。c) ウンシュウミカンでの省力樹形への樹形改造は、せん定作業の省力効果が 大きく、1樹当たりのせん定時間は37%削減できた。さらに、省力樹形で収穫量を減じる場合もあるが、収穫作業効率は10~42%向上し、1樹当たりの収穫時間は最大で52%削減することができた。d) 隔年結果要因の解析について、11月の茎組織における花成誘導遺伝子CiFTの 発現量は翌春の花数と密接な関連を示し、その関連性に年次あるいは地域間の差は認められないことを明らかにした。e) 乾燥ストレス付 与による増糖効果の要因解明のために、果実の小玉化による濃縮効果の影響を検証し、早生温州「原口早生」では7月の肥大抑制により、 また、「はれひめ」と「みはや」は7月中旬~9月の肥大抑制により、果汁内糖濃度が上昇することを確認した。f) ジベレリン(GA)とプ ロヒドロジャスモン(PDJ)の混合剤の浮皮軽減効果について検証し、中生ウンシュウミカンにおいて9月上旬のGA1ppmとPDJ50ppmの混合液散布による浮皮軽減効果は2℃程度の気温上昇条件下であっても有効であることを明らかにした。 |
カテゴリ | 温州みかん 加工 乾燥 機能性成分 茶 低コスト 品種 良食味 レモン その他のかんきつ |