課題名 | 高商品性リンゴ等品種の育成と省力生産技術の開発 |
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課題番号 | 2013023047 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
阿部和幸 伊藤祐司 |
協力分担関係 |
生物研 宮城農園総研 弘前大 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 着色性、病害抵抗性等が優れ、良食味の育成に関しては、a) 第6回系統適応性検定試験供試5系統の中で、「盛岡70号」が食味関連形質に優れ、試食会等における品質評価が高く、新品種候補として有望と判断した。b) 果肉が赤く着色し、生食・調理加工兼用種として利用可 能な2個体を「ルビースイート」、「ローズパール」として品種登録出願した。c) 成熟期別の新品種、複合抵抗性品種、省力適性品種の育成を目的として25組合せの交雑を行い、合計835の交雑果を獲得した。d) 平成24年度まで未結実又は継続検討と判定されていた1,090個体 の果実特性を調査して、食味の優れるカラムナータイプ1個体を二次選抜するとともに、食味の良い3個体を新たに一次選抜した。e) 樹体 構造が円筒形状となるカラムナー性の原因遺伝子Coとの遺伝距離が0cMで、カラムナー性個体を高精度に早期選抜できるDNAマーカーを開発した。f) 平成24年度までに一次選抜したブルーベリー3個体の果実特性を調査して食味が良好であることを確認し、引き続き果実形質の調査を継続することとした。g) ブルーベリーでは、8組合せの交雑を行い合計154の交配果を獲得した。交雑実生317個体の果実特性を調査して、3個体を新たに注目個体として選抜した。h) セイヨウナシの良食味系統として、大果で品質の良好な「札幌4号」、「札幌5号」、「札幌6号」の3系統を供試して、セイヨウナシ第2回系統適応性検定試験を開始した。i) セイヨウナシでは、6組合せの交雑を行い合計553の交雑種子を獲得した。交雑実生180個体の果実調査を行い、食味の良い2個体を新たに一次選抜した。 リンゴの着色・着果管理等の省力・軽労化を図るための摘葉技術等の要素技術の開発に関しては、a) 果皮のアントシアニン濃度は、収穫 前1週間の平均気温に大きく影響されることを明らかにした。b) 慣行栽培における1回目の葉摘み作業を摘葉剤で代替した場合、25~50% の省力効果があることを明らかにした。摘葉剤の効果は処理日前後の平均気温と相関があることを見出し、早生・晩生品種における処理適期は収穫2か月前であることを明らかにした。c) 乾燥時に花粉交配機を使用することで、自然受粉と同等な結実率及び果実品質が得られること、雨天時の溶液受粉は結実率がやや低いものの、花粉交配機と同等な果実品質が得られることを明らかにした。d) 「ふじ」、「ジョ ナゴールド」、「シナノスイート」では摘花剤の利用によって、「つがる」では摘花剤と摘果剤の併用によって、人手による摘果所要時間を大幅に短縮しつつ果実重をより大きくすることを可能とした。また、「ふじ」、「つがる」、「ジョナゴールド」、「シナノスイート」における摘果所要時間は、摘果時期をやや遅くすることで30%以上削減でき、特に「つがる」と「ジョナゴールド」で作業時間の短縮率が高いことを明らかにした。e) 満開後15日から30日にかけて果そう内幼果の肥大量は落果率と高い相関があり、かつ落果率より環境変異が 少ないため、摘果剤の効果や自家摘果性を表す客観的な指標として有効であることを明らかにした。f) リンゴ花芽形成関連遺伝子MdTFL1 を抑制するために、サイレンシングベクターを構築し、4種類のベクターを導入した組換えリンゴを作出した。g) 花成遺伝子MdPI遺伝子と単為結果性との関係を明らかにするために、MdPI遺伝子の発現を抑制した組換えリンゴを作出し、単為結果性を示さないことを確認した。h) 「つがる」由来のアントシアニジン合成酵素遺伝子(ANS)のプロモーター::GUSを導入した形質転換体の分析から、3つのANSプロモー ターのうちMdANSTs1とMdANSTs2はMdANSTs3とは発現制御が異なることを明らかにした。 |
カテゴリ | 加工 乾燥 軽労化 受粉 新品種 単為結果 茶 DNAマーカー 抵抗性品種 病害抵抗性 品種 ブルーベリー 良食味 りんご |