環境負荷物質の広域動態モデル策定と生産技術の環境負荷評価法の開発

課題名 環境負荷物質の広域動態モデル策定と生産技術の環境負荷評価法の開発
課題番号 2013023053
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 松森堅治
協力分担関係 北海道総研
秋田県農試
愛知県農総試
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 広域農地の水系における環境負荷物質の低減技術シーズに関しては、a) 中国地方に多く分布する花崗岩風化土壌の圃場において、硝酸態窒素を吸着する機能炭の施用(600g/m2)により、チンゲンサイの生育に影響なく、窒素溶脱量を無施用区と比べ53%低減できることを確 認した。b) 日射制御型拍動灌水装置を用いて施肥窒素を23%削減した露地ナス栽培では、慣行栽培と同等の収量を得た。一酸化二窒素発 生量については慣行栽培に比べ27%減少することを認め、平成24年度の63%減少に引き続き抑制効果を確認した。中山間地の露地ナス圃場での現地実証試験では、3か年を通じて10~20%の窒素減肥と20~30%のリン酸減肥を行い、慣行比で同等~4割増の収量が得られることを確認した。c) 牛ふん堆肥中の炭酸水素ナトリウム溶液(pH8.5)抽出態リン酸は炭化・灰化処理により比率が増加し、コマツナに吸収利用されることを明らかにした。d) 日射制御型拍動灌水装置において、タンクの注水部分に穴あき塩ビ管を取り付けることで拍動タンクへの 揚水量を容易に調整する方法を考案した。
負荷低減対策技術の導入効果を予測可能な農業由来環境負荷物質の動態モデルに関しては、a) 香川県ほか4地域において水質予測モデルを開発し、そのうち、根釧(飼料作)・秋田(水稲作)・東三河(野菜作)地域について環境負荷低減技術の導入前後の各流域の全窒素濃度を推定し、技術導入により流域の窒素濃度が減少する状況を地図上で明らかにした。b) 流域の土地利用別面積割合を変数とする水質予測 モデルの水田係数は、希釈や脱窒による窒素濃度低下と二毛作や転作田による窒素負荷増に応じてマイナスからプラスまで幅広い値をとり、数値の大きさは灌漑水源や利用状況との関係で整理できる可能性を明らかにした。
水系における環境負荷リスクに対する脆弱性や対策技術の効果の評価に関しては、a) 牧草、水稲、露地野菜生産のライフサイクルについ てインベントリー分析に必要な項目を作成し、慣行の栽培技術と新規に導入した地域資源を活用する技術のインベントリーデータを収集した。b) 家畜排せつ物等の有機性資材や緑肥等の地域資源を活用する技術について、環境影響評価手法により温室効果ガス(GHG)排出量の評価を行い、導入する栽培技術によっては面積当たりのGHG排出量が増加する場合もあったが、生産物収量当たりの排出量は減少すること を示した。
カテゴリ 環境負荷低減 こまつな 栽培技術 水田 施肥 中山間地域 チンゲンサイ なす 二毛作 評価法

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