健康機能性に関する成分分析法及び評価法の開発と標準化

課題名 健康機能性に関する成分分析法及び評価法の開発と標準化
課題番号 2013023096
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 八巻幸二
沖智之
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 機能性成分の分析法の標準化に関しては、a) 豆類中の総プロアントシアニジン分析法について、8種の豆類で中間再現性相対標準偏差が0.9~4.7%の範囲であり、反復測定の精度が高く室内再現性が良好であることを確認した。b) 紫サツマイモ中のアントシアニン分析法について、3品種の濃縮汁で中間再現性相対標準偏差がシアニジン型アントシアニンで2.2~3.8%、ペオニジン型アントシアニンで2.5~3.5% の範囲であり、室内再現性が良好であることを確認した。c) 総ポリフェノールの分析法について、5種の抗酸化成分で中間再現性相対標準偏差が2.7~3.4%の範囲であり、室内再現性が良好であることを確認した。d) 果実・野菜中のカロテノイド分析法について、室間精度が 向上するように標準作業手順書に改良を加え、検量線の直線性が改善されることを確認後、室間共同試験を開始した。e) 一重項酸素吸収 能測定法について、多検体を処理できるように方法を改良し、標準作業手順書を作成した。さらに室内再現性が良好であることを確認し、14試験室による室間共同試験を開始した。f) 親油性酸素ラジカル吸収能測定法について、標準作業手順書を作成した後、室内再現性が良 好であることを確認した。しかし、室間共同試験では室間精度が不十分であることが判明したため、室間精度低下の要因を精査して、標準作業手順書に改良を加えた。g) 平成24年度手順書に基づき、茶葉中のタンニン類、カテキン類の同時分析法の妥当性確認試験を行った。
機能性評価法の標準化に関しては、a) 糖尿病発症マウスに特有な糖尿病合併症発症に関わる終末糖化産物の受容体(RAGE)結合因子とし て、血中からヘモペキシン(HPX)、尿中からナプシンA(NP-A)を同定した。b) HPXはヘム鉄との複合体の形成によりRAGEへの親和性が増大して活性酸素の産生などを誘発する細胞内反応を引き起こすこと、HPX複合体の結合は腎糸球体メサンギウム細胞で顕著であることを明 らかにした。c) NP-Aは高血糖刺激などによる組織崩壊ではなく、近位尿細管上皮細胞からの分泌量が増加することを明らかにし、糖尿病 合併症初期マーカーの候補として有望であることを示した。d) 糖尿病により引き起こされる生体内成分の糖化反応について、ポリスチレ ンナノ粒子をプローブとして粒子の運動性により糖化状態を評価する方法を開発し、ルチンの糖化反応抑制効果を確認した。
機能性成分や機能性評価値のデータベース化に関しては、a) 抗酸化能分析法である親水性酸素ラジカル吸収能(H-ORAC)について、リン ゴは3年分、モモ、ナシ、ブドウ及びカキは2年分のデータを蓄積した。カンキツは一部の品種で2年分のデータを蓄積した。b) 親水性酸素ラジカル吸収能測定法(H-ORAC法)を用い、5品目(トマト、ホウレンソウ、シュンギク、セリ、パプリカ)の野菜を全国各地から月1~2 回収集して抗酸化能を測定し、データを蓄積した。また、パプリカ、トマト、タマネギ及びダイズとダイズ加工品の品種・栽培時期・栽培方法による抗酸化能の差異、貯蔵による変化、成分含量を明らかにした。c) ホウレンソウでは、遮光や低温保存によるH-ORAC値の減少を 認めた。また、硝酸含量と水溶性シュウ酸含量は、多肥と遮光によって増加すること、長期間栽培すると減少することを明らかにした。各ホウレンソウ品種のH-ORAC値は1,000~1,800μmol TE/100g FW(新鮮重100g当たり)の範囲であり、長期間栽培では品種間差を認めた。d) コムギ10品種・系統のH-ORAC値は1,400~1,900μmol TE/100g FWの範囲であることを明らかにした。一方、オオムギ10品種・系統のH-ORAC値は1,200~7,200μmol TE/100g FWと範囲が広く、特に有色系の品種・系統では高い値を示すことを明らかにした。e) ナス6品種・系統 、トマト5品種・系統、ピーマン3品種・系統のH-ORAC値を測定し、データベースの基礎データを収集した。f) 平成22~24年度に国内各地 で収穫された116検体の黒大豆中の総プロアントシアニジン量は、0.23~1.52mg/gの範囲で、最大6.6倍の差異を確認した。熊本県の5種の 青果物(ホウレンソウ、ナス、タマネギ、トマト、ニンジン)の総ポリフェノール含量を測定し、データベースの基礎データとした。g) 平成23年産カンショ茎葉(19品種・系統、4回収穫)のカロテノイドを分析し、主要なカロテノイドはルテインとβ-カロテンであること、ルテイン含量は3.37~22.37mg/100gFWの範囲で中央値14.74mg/100gFWであることを明らかにした。h) イソフラボンの一つであるゲニステ インを添加した標準食をラットに4週間摂取させたところ、ゲニステインを0.3%以上含有する餌を摂取したラットで肝臓指標の低下を認めた。また尿中の抗酸化マーカー8-OHdGは、ゲニステインを0.03%以上含有する餌を摂取したラットで上昇を認めた。i) 「ニュートリゲノ ミクス機能性評価データベース」をWeb公開した。またデータベースに掲載できる追加可能な実験データを取得し、遺伝子発現バンクGEOへの登録を行った。j) 品種・系統・摘採時期・栽培地の異なる茶葉中のタンニン及びカテキン類のデータを収集するとともに、タンニン類 についてはデータベース用にまとめた。k) 高機能性農産物データベースの不具合箇所を改修し、動作確認した。一方で、脆弱性への対応 、公開に必須のセキュリティ対策を開始した。プロアントシアニジン(黒大豆)、ストリクチニンとG-ストリクチニン(ともに茶)について分析データを新規収載し、収載情報を9品目12成分とした。アントシアニンは、8品種・銘柄とした。
カテゴリ かき 加工 かんしょ 機能性 機能性成分 しゅんぎく せり たまねぎ データベース トマト なす にんじん ピーマン 評価法 品種 ぶどう ほうれんそう もも りんご その他のかんきつ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる