課題名 | 地下水位制御システムを活用した温暖平坦地向け水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2014025505 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
大下泰生 渡邊和洋 |
協力分担関係 |
長野県農業試験場 三重県農業研究所 (有)サンフレッシュ海津 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 不耕起や浅耕播種技術とFOEASを組み合わせた2年4作、3年5作体系の開発に関しては、 関東地域において、 a) 水稲乾田直播において、FOEASを用いた早期の地下灌漑で苗立ち率が向上するとともに、登熟期間の地下灌漑の継続によって登熟歩合が向上することを明らかにしたが、精玄米収量は慣行水管理と同等であった。 b) 畦間サブソイラと種子処理剤(チアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルM水和剤)の組み合わせは、水口近傍のダイズの苗立ちや収量を改善すること、また、ダイズの基肥無施用を2作継続しても土壌養分や収量に対する影響は小さいことを明らかにした。 c) FOEASを施工した不耕起栽培地区(千葉県横芝光町、25圃場、18ha)と、従来の暗渠施工による不耕起栽培地区(茨城県筑西市、47圃場、35ha)とで圃場別のダイズ収量分布を比較し、FOEAS施工地区で収量が高く、かつ平準化が認められることを確認した。 d) 大型のディスク作溝型不耕起播種機を用いて横芝光町・筑西市・稲敷市・龍ヶ崎市で乾田直播の実証栽培を行い、10分/10a程度の作業能率、52~87%の苗立率、474~723kg/10aの全刈り収量を記録するとともに、コムギ「さとのそら」では、茎立期6kg/10a+出穂期2kg/10aの窒素追肥で600kg/10a程度の多収を得た。また、ダイズでは最大3ha/日の負担面積となるなど、本機の有効性を実証した。 e) 千葉県横芝光町大規模水田作営農において水稲「あきだわら」の大型不耕起播種機による乾田直播を行い、FOEASを用いた地下灌漑・浅水管理で斉一な苗立ちを確保し、栽培面積3.3haで全刈り収量723kg/10aを得た。コムギ「さとのそら」では栽培面積24haで全刈り収量473kg/10a、ダイズ「サチユタカ」の不耕起狭畦播種栽培については栽培面積18haで全刈り収量257kg/10aであった。60kg当たり全算入生産費は慣行に比べて水稲で50%、5年7作の組み合わせで42%の削減を記録した。 東海地域では、 a) コムギの施肥について慣行施肥と比較し、後期重点施肥により最大で50%増収する結果を得た。 合理的な資材の投入による土壌管理技術及び雑草管理技術に関しては、 関東・東海地域において、 a) 不耕起播種機を用いた2年4作輪作体系で、ダイズを無施肥、体系全体で総リン酸、カリ施肥量を慣行の約50%程度に削減しても、コムギ及びオオムギは、慣行施肥体系と同等の収量が得られることを実証した。カリ追肥量をこれまでより4kg/10a程度増やすことで、土壌の交換性カリの低下傾向を改善できることを示した。 b) ヒエや多年生雑草等の残存難防除雑草が0.015本/m2以下で、漏水対策を施した水稲乾田直播圃場では、播種後の非選択性茎葉処理剤と土壌処理剤を用いる除草体系により、除草剤使用量の約6割削減が可能であることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 FOEAS 乾田直播 管理技術 狭畦播種 雑草 除草 除草剤 水田 施肥 大豆 低コスト 土壌管理技術 土壌処理 難防除雑草 播種 不耕起栽培 水管理 輪作 輪作体系 |