課題名 | 中小規模水田に対応した生産性向上のための輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2014025506 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
奥野林太郎 |
協力分担関係 |
(農)くろぶち スガノ農機(株) (株)ヤンマー農機 岩手県 島根県中山間地域研究センター 岡山大学 ゾイシアンジャパン(株) 広島県立総合技術研究 所 (農)ファーム・おだ (公財)新産業創造研究機構(NIRO) |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 節水型の水稲直播とムギ、ダイズの簡易耕を利用した中小規模水田の省力輪作体系の開発に関しては、 a) ハダカムギ後水稲乾田直播栽培において多収水稲品種「たちはるか」を栽培し、地下水位を-10cmに保った節水区において常時湛水の慣行区を上回る779g/m2の精玄米収量を記録した。 b) 地下水位制御システムを用いて出穂後2~3週間の地下灌漑を行ったところ、ハダカムギ品種「ハルヒメボシ」では穂数が増加し、対照に比べ2割増の773kg/10aとなった。コムギ品種「せときらら」では815kg/10aで対照区と同等であったが、子実タンパク質含有率は13%に高まることを確認した。 c) 試作した1粒点播用播種ロールを、岡山市の生産者が独自に試作した播種機に装着し、瀬戸内市の現地で播種量450g/10aの1粒点播の乾田直播を行ったところ、移植栽培と同等の609kg/10aの収量を記録した。 d) ハダカムギ作後の水稲乾田直播栽培において、ヒメタイヌビエの埋土種子数が多い場合には概ね3~4回の除草剤処理が必要であるが、1,000粒/m2以下と埋土種子数が少ない場合は2回の除草剤処理で防除できることを明らかにした。 e) ダイズ品種「サチユタカ」では、開花期から莢伸長期に2週間地下水位を低くして乾燥害を与えると青立ち程度が高まり、子実肥大期の処理では青立ちが発生しなかったことから、莢伸長まで地下水位を維持することが青立ち防止に有効であることを認めた。 f) 畦畔除草省力化のための畦畔法面における2重ネット工法によるシバ植栽において、シバ被度の拡大には床土を利用することの効果が高いことを明らかにした。 g) 中山間の地下水位制御システム設置圃場において、水稲の乾田直播栽培、ダイズの部分耕播種狭畦無培土栽培、オオムギの耕起同時播種栽培による体系(耕地利用率130%)の実証試験を行い、60kg当たり費用合計は3作物で約50%減との試算を得た。 このほか、 a) 肥料中の塩素量が多くなるとコムギ子実のカドミウム濃度が高まることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 肥料 乾燥 乾田直播 畦畔除草 省力化 除草剤 水田 水稲 大豆 中山間地域 低コスト 播種 はだか麦 品種 防除 輪作 輪作体系 |