高商品性ニホンナシ・クリ及び核果類の品種育成と省力生産技術の開発

課題名 高商品性ニホンナシ・クリ及び核果類の品種育成と省力生産技術の開発
課題番号 2014025550
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 齋藤寿広
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 ニホンナシの自家和合性又は自家摘果性の良食味品種の育成に関しては、
a) 極早生で良食味の「はつまる」及び黒斑病・黒星病複合抵抗性を持ち良食味の「ほしあかり」を品種登録出願した。
b) ニホンナシの主産県等で実施した試作試験にもとづき、黒斑病抵抗性と自家和合性を有する「筑波57号」を品種登録出願候補とした。
c) ニホンナシにおいて、花粉一粒のDNAを鋳型にPCRを行うことで、花粉側自家和合性個体が生産する和合性花粉を検出できることを明らかにした。
d) 黒星病抵抗性、自家和合性、自家摘果性等の形質を付与した良食味品種の育成を目的として、18組合せ、5,952粒の交雑種子を獲得した。
e) 交雑実生1,578個体から、自家和合性や自家摘果性、黒星病抵抗性を有する良食味の6系統を次回系統適応性検定試験供試系統として選抜した。
f) 前年度に獲得した交雑実生1,292個体について自家和合性、黒星病抵抗性に関するDNAマーカーを用いて幼苗選抜を行い、486個体を選抜した。
ニホンナシ等の省力・軽労化技術及び果肉障害対策技術等の安定生産技術の開発に関しては、
a) ニホンナシの「あきづき」、「王秋」では、6~7月の弱い水ストレスがコルク状果肉障害の発生を助長する可能性を明らかにした。また、満開100日後にエテホンを散布すると、収穫期が前進し、コルク状果肉障害の発生が減少することを明らかにした。
b) ニホンナシ「あきづき」で、開花の遅い花に由来する果実は、収穫期が遅く、コルク状果肉障害が多発しやすいことを明らかにした。
c) ニホンナシ「新高」では、収穫6~3週間前における果実温度の上昇がみつ症の発生を助長することを明らかにした。
d) モモの水浸状果肉障害について、発生を軽減する摘心処理は果実へのカルシウム蓄積の促進を伴うが、同様に軽減効果を示すアブシジン酸(ABA)処理は果実へのカルシウム蓄積の促進を伴わないことを明らかにし、本障害の発生にはカルシウム以外の要因も関係する可能性を示した。
e) 施肥量を半減した被覆尿素の春1回局所施肥は、尿素の秋施肥や被覆尿素の全面施肥と比較し、葉中窒素濃度、果実収量、果実品質に差異がないことを明らかにした。
核果類の系統評価及び新たな交雑種子の獲得、交雑実生の特性調査に関しては、
a) 核果類14系統について、全国の核果類主産県が参画する試作試験で特性を調査した。
b) モモでは着色良好で無袋栽培可能な白肉品種を中心に、ウメでは自家和合性及び赤肉を、スモモでは自家和合性を目標として、合計43組合せ、392個体の交雑種子を獲得した。
c) 交雑実生434個体について特性調査を行い、果実形質等が優れるモモ13個体、ウメ5個体、スモモ3個体、アンズ1個体を注目個体として選抜し、209個体を淘汰した。
クリの系統評価及び新たな交雑種子の獲得、交雑実生の特性調査に関しては、
a) クリ4系統について、全国のクリ主産県が参画する試作試験において特性を調査した。
b) 易剥皮性の良食味品種の育成を目的として、12組合せ、1,748粒の交雑種種子を獲得した。
c) 交雑実生577個体の果実特性等を調査し、良食味や易剥皮性等の形質を有する10個体を有望として再調査することとし、405個体を淘汰、162個体を継続調査とした。
このほか、
a) ほうき性かつ菊咲きで、花色の異なる花モモ2品種を品種登録出願した。
b) ニホングリ在来品種は、遺伝学的に丹波地域とそれ以外の地域のグループに分類されることを明らかにするとともに、親子解析により、在来品種は丹波地域から全国に伝搬したとの仮説を検証した。
カテゴリ あんず うめ 果肉障害 くり 黒星病 軽労化 すもも 施肥 DNAマーカー 抵抗性 日本なし 品種 もも 良食味

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