課題名 | 生体防御作用に関する健康機能性解明と有効利用技術の開発 |
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課題番号 | 2014025605 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
鈴木チセ 石川祐子 |
協力分担関係 |
東北大学 (株)アミノアップ化学 ソントン株式会社 九州大学 国立三重病院 順天堂大学 アサヒ飲料 浜松ホトニクス 千葉大学 フンドーキン醤油 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 農産物・食品の生体防御に関わる健康機能性の評価技術と関与成分の科学的実証に関しては、 a) 野菜・ハーブ等の抗炎症活性・免疫調節機能評価に関しては、RBL-2H3細胞の抗原特異的脱顆粒抑制活性を指標に評価した結果、ベビースピナッチでは通年で抗アレルギー活性が認められたが、一部のハーブではその効果が収穫時期により大きく変動することを見出した。 b) 摂取熱量が健康状態に及ぼす影響を評価するため高脂肪食を摂取させたマウスにおいて、抗CD3抗体及び抗CD28抗体によって刺激されたヘルパーT細胞から産生されるIL-4は、対照群より有意に減少することを明らかにした。この肥満マウスへのべにふうき緑茶の投与は、肥満により誘導される脂肪組織での炎症性サイトカインの遺伝子発現を抑制することにより炎症を軽減し、腸内細菌叢を変化させることを明らかにした。 c) ネギ粘液に含まれる免疫賦活作用を有する物質としてマンノース結合レクチンとソーマチン様タンパク質を精製して、その構造的特徴を明らかにした。 d) マウスの加齢性難聴を指標に食事因子と老化速度の関係を調べた結果、鶏卵粉末(卵黄粉末)投与により加齢性難聴が抑制されることを明らかにした。 e) イソフラボン配糖体からアグリコンへの変換活性を有する漬物由来乳酸菌は、胃酸耐性能を有する可能性があることを明らかにした。 f) 20歳前後の女性(23名)を被験者としたヒト試験において、通常のスターターを用いたヨーグルトの摂取に比べ、H61を用いたヨーグルトの摂取により頬の油分量が増加し、アンケート調査で「毛穴の目立ち」が改善することを明らかにした。 g) 乳酸菌の代謝産物であるインドールピルビン酸のヘアレスマウス皮膚への塗布は、紫外線B波照射により引き起こされる皮膚バリア機能の低下、皮膚組織の壊死及び肥厚及びダメージを抑制することを明らかにした。 h) ラクトフェリンは、角化細胞においてケモカイン受容体のリガンドとして働き、受容体のチロシンリン酸化・モノユビキチン化及び二量体形成を誘導することを明らかにした。 i) アントシアニンを多く含む茶品種「サンルージュ」の熱水浸出液の摂取は、マウスの遊泳時間を延ばし、疲労の軽減効果があることを示した。 j) 緑茶由来のRNA含有粗多糖類(iTPS)に含まれるRNAの大きさ、由来とも様々であり、大きさと活性に相関性は認められなかったが、リボゾームRNA由来のRNAはマクロファージ様細胞に対する食作用活性増強作用が弱いことを明らかにした。 k) NK細胞活性作用を有するカンキツ由来ノビレチンの作用メカニズムについて、ノビレチン添加によりシグナルカスケードの下流に位置するプロテインキナーゼp38MAPKのリン酸化を介した活性化機構を見出した 機能性成分を高めた農作物の生産方法と食品の開発に関しては、 a) β-クリプトキサンチン摂取に伴いヒト血漿中のカロテノイド代謝物の一つβ,ε-caroten-3’-oneの増加が認められ、ヒトにおいてもマウスと同様な代謝活性が存在することを明らかにした。 b) 機能性成分を高める農作物の生産方法については、茶葉中のケルセチン配糖体は、栽培時に被覆すると含量が下がるが、茶製造時の萎凋・発酵操作では減少しないことを明らかにした。 c) 「サンルージュ」のアントシアニンを有効活用し茶葉を丸ごと摂取するため、「サンルージュ」のピューレを3%添加し、pH3.0でアントシアニンを発色させたエディブルティードレッシングを食品メーカーと開発し、市販化した。 |
カテゴリ | 機能性 機能性成分 市販化 茶 鶏 ねぎ 評価法 品種 その他のかんきつ |