食品及び食品素材の高付加価値化技術の開発

課題名 食品及び食品素材の高付加価値化技術の開発
課題番号 2014025612
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 門間美千子
協力分担関係 日清製粉
日本製粉
日ノ本穀粉
三和油脂
京都府立大学
JIRCAS
東京都立食品技術センター
アベオクタ連邦農業大学
農環研
国立医薬品食品衛生研究所
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要  食品素材成分の特性及び組織構造の解析に関しては、
a) グルタチオン処理を利用したグルテンフリー米粉パンの製造基盤技術について、ホワイトソルガム粉を少量添加することにより、パンの生地状態が改善し、食塩を添加しても膨らみが妨げられないことを明らかにした。また、これにグルタチオンを18%程度含む酵母エキス(グルタチオン18%含有)使用により、添加物不使用のグルテンフリー米粉パンの製造を可能とした。
b) 米粉パンの特徴の一つである「しっとり」食感の評価指標の候補であるMRI解析におけるT2緩和時間の長さについて、乾式気流粉砕米粉配合パンは湿式気流粉砕米粉配合パンよりも長いことが示された。
c) 米デンプンをコムギデンプンに配合することによって、ゲルの伸長率が高くなり10%の配合率が最も高い伸長率を示すことを明らかにした。このブレンド比率の影響は前年度得られた米粉入り麺の解析結果と一致し、麺の伸長率に及ぼす米粉のブレンドの影響はデンプン特性が反映されていることが示された。
d) ラピッド・ビスコ・アナライザー(RVA)による30%濃度の米粉バッター粘度測定により、同一粉砕機でも粒径によってバッター粘度が異なることを確認した。篩による分級米粉を用い、150~355μmの米粉では米粉入りパンの比容積が低下することを明らかにした。
e) 大麦粉パンの膨らみに関わる酵素を評価するため、オオムギβアミラーゼ画分に対するモノクローナル抗体の作製・選抜を行い、免疫染色法によってオオムギ中での酵素の分布解析を可能とした。
 食品素材の品質に影響を与えるタンパク質、多糖類等の解析に関しては、
a) グルタチオンが食品タンパク質のジスルフィド結合に作用し、米粉生地に気泡性を生じさせることを示した。また、レドックスを利用した新規食品の開発にはグルタチオンが効果的であり、酵母エキスを使用したパンはコムギアレルゲンと交差しないことが示唆された。また、ソバ主要アレルゲン(Fag e 2)は、高圧処理と併せてトリプシン処理すると分解する可能性を見出した。
b) 穀類の粉の吸水特性を水酸化カルシウム処理により改変する方法を見出した。処理条件を調節することにより、吸水にかかる時間及び吸水量を調節することを可能とした。
c) 多糖類のデンプン酵素分解性に対する抑制効果と粘度上昇効果の関連性を評価し、抑制効果が最も高かったキサンタンガムは粘度上昇効果も顕著に高かったため、この粘度上昇効果とデンプンとの相互作用が主な制御要因であることを明らかにした。30種類のアフリカ産ヤムイモの凍結乾燥粉末試料及び精製デンプンの熱糊化挙動をラピッド・ビスコ・アナライザ(RVA)にて測定し、育種現場で実施可能なデンプン特性評価法として、凍結乾燥粉末試料のRVA測定法を提示した。
d) 胚芽米や玄米の貯蔵中の異臭成分生成が脱酸素剤によって抑制されること見出した。米糠中脂質劣化はこめ油歩留まりを20%程度低下させる要因であるが、マイクロ波処理を施すと劣化速度が遅くなり、無処理であれば通常1日程度の劣化を1週間程度まで伸ばすことができることを明らかにした。また、玄米表面剥離処理を施すことにより、精製歩留まり低下の原因となっている原油中のワックス分を2割程度軽減した。
e) 複合脂質による栄養・機能成分の腸管吸収促進作用に細胞間の結合性が関与することを明らかにした。
カテゴリ 育種 大麦 加工 乾燥 高付加価値 そば ソルガム 評価法

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