ゲノム情報を活用した麦・大豆の重要形質制御機構の解明と育種素材の開発

課題名 ゲノム情報を活用した麦・大豆の重要形質制御機構の解明と育種素材の開発
課題番号 2015027774
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 (株)カネカ
北大院農
(国)農業生物資源研究所
(国)理化学研究所
道総研
名古屋大
(国)国際農林水産業研究センター
農水光学研
筑波大
前橋工科大
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 ムギの越冬性に関しては、
a) 新規抵抗性候補遺伝子WIN1高発現組み換えコムギを作出し、雪腐病菌(Typhula ishikariensis)を用いて接種試験を行った結果、統計的に有意な抵抗性の向上は観察されなかった。
b) 平成26年度までに雪腐病抵抗性の向上が示されたTAD1、TaMDC1を導入した形質転換コムギ後代で雪腐病菌接種試験を行い抵抗性の 向上を確認した。RNAシャペロン遺伝子を高発現する系統についてクラウン組織の電解質漏出法による評価を行ったが、野生株との間 に耐凍性の違いは見られなかった。
ムギの穂発芽耐性に関しては、
a) 単離したオオムギの種子休眠性QTL遺伝子SD2について、TILLING 法を用いてスプライシングに異常をきたす変異系統を分離し、本 系統はSD2タンパクを欠く機能欠損型であり、発芽率が約20%(親品種「Barke」は100%)と低く、休眠が強くなっていることを明ら かにした。
b) 「きたほなみ」の重イオンビーム変異体(TaABA8’OH1-B欠失変異体及びTaABA8’OH1-D欠失変異体)は圃場での生育に原品種との 違いは見られなかった。「タマイズミ」TaABA8’OH変異集積系統(OH1 A-B+D-/OH2 A+B+D-)では、ABA代謝酵素阻害剤処理と同等レベルにまで発芽を抑制できた。
ダイズの耐冷性及び耐湿性に関しては、
a) 耐湿性が向上したγ線照射変異株と野生株の比較プロテオミクス、及び耐湿性を向上させるABA処理区と未処理区の比較プロテオミクスにより、耐湿性と相関した蓄積を示しかつ両比較で共通に検出されるタンパク質を同定した。
b) 早期冠水応答では転写因子NAC、シャペロニン20、後期冠水応答ではポリガラクチュロネース阻害タンパク質、エノラーゼ、ノジュリン35等が耐湿性のマーカーとなることが示された。
c) 出芽期のダイズの冠水により発現が誘導される冠水応答性遺伝子のうち、Sub1Aの同祖遺伝子と考えられるAP2/ERF(VII)を過剰発現する形質転換ダイズを作製して冠水抵抗性試験を行ったが、本遺伝子は冠水抵抗性の向上に十分ではなかった。
カテゴリ 育種 大麦 水田 耐湿性 大豆 抵抗性 品種 輪作

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