課題名 | 露地野菜の高品質・安定供給に向けた品種・系統の育成 |
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課題番号 | 2015027779 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
(株)サカタのタネ 各県公設研 (株)日本農林社 (株)明治機械製作所 カネコ種苗(株) 中原採種場(株) 山口大 東北大 (国)理化学研究所 ベトナムPlant Resource Center |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | キャベツの根こぶ病抵抗性等に連鎖するDNAマーカーの開発に関しては、 a) 3つの根こぶ病抵抗性QTLと萎黄病抵抗性を戻し交雑とマーカー選抜により導入したF1から形質の優れる3系統を選抜した。宿主範囲の最も広い菌株を用いて幼苗接種検定により開発した3系統は、対照の根こぶ病抵抗性キャベツ品種よりも優れることを確認した。 b) 根こぶ病抵抗性遺伝子Crr1とCrr2をマーカー選抜により集積した、晩生の作型に適するハクサイF1品種「CR寒次郎」を品種登録出 願した。 c) 根こぶ病抵抗性遺伝子CRb領域に見出した5つのORFのうち、既報のCRaと同一配列である1つのORFが抵抗性機能を持つことを明らか にした。CRk領域に見出した2つの抵抗性遺伝子の座乗領域について、それぞれ100kb、195kbに絞り込んだ。 d) 加工時の臭いや黄変の原因となる4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート(4MTB-GSL)を欠失した実用F1品種として、たくあん原料用の「悠白」とカット・切り干し・おろし等加工用の「サラホワイト」を育成し、品種登録出願した。 e) 4MTB-GSL欠失系統に含まれるグルコシノレート(グルコエルシン)含量に差があるF3集団のQTL解析を行い、4カ所のQTLを検出した。 加工歩留まりの高いタマネギ品種など加工・業務用野菜品種の育成に関しては、 a) タマネギの早生系統「月交25号」は、加工用タマネギ品種「カロエワン」よりも早生で、一球重が大きく多収であったが、春播き 直播栽培で利用するには早生性が不十分であり、球形にばらつきがみられることから加工用品種としての特性は不十分と判断した。 b) カボチャ「北渡交4号」は、短節間性、株元着果性を示し、収量は品種「えびす」や「雪化粧」以上、また、貯蔵後の腐敗率は低く維持され、果実品質が高いことを確認した。 c) 高ケルセチン含有のタマネギ「クエルゴールド」の本州での冬まき作型での適応性を評価し、東北地方では北海道より大球を示し 生産が可能でることを明らかにした。また、ケルセチン含量は栽培環境等によらず高く維持されること確認した。 春・夏どり短葉性ネギ品種等の育成に関しては、 a) 「ネギ安濃交3号」は、極晩抽性で5~6月どり作型に適し、「ネギ安濃交6号」は、7~9月どり作型において収穫物の揃いや形状に 優れ、秀品収量が多いことから、品種登録出願した。 b) ネギハモグリバエ抵抗性選抜マーカー座を有する戻し交雑後代から、抵抗性素材である品種「北葱」に近い抵抗性を有する系統が見 出した。 c) 極晩抽性ハクサイの試交F1系統を用いた早春作型試験を5カ所で行い、既存の晩抽性品種が早期抽だいする条件下でも晩抽性を発揮し、高い商品化率を示す2系統を選定した。ジベレリンと長日処理により、親系統の開花時期を調整してF1採種が可能となった。 |
カテゴリ | 萎黄病 加工 かぼちゃ キャベツ 直播栽培 水田 たまねぎ DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 ねぎ はくさい 春作 品種 輪作 |