課題名 | 繁殖性及び生涯生産性等に対する効率的な家畜育種技術の開発 |
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課題番号 | 2015027796 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
家畜改良センター (株)シムコ 家畜改良事業団 日本ホルスタイン登録協会 北海道酪農検定検査協会 北海道ホル スタイン農業協同組合 (株)J-オイルミルズ 各県公設畜産研究所 産総研 信州大 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 家畜の生涯生産性を向上させる遺伝的能力の評価基準に関しては、_x000D_ a) 在群性能力を評価するための形質として擬似産次内生存率を開発するとともに、乳量、乳中体細胞スコアと9種類の体型形質(肢蹄、乳用強健性、胸の幅、乳房の懸垂、乳房の深さ、後肢後望、前乳頭の長さ、座骨幅、ボディーコンディションスコア)を組み合わせることで、在群性能力をより正確に評価できることを明らかにした。_x000D_ b) 改良方向に基づいて選抜を行う場合は、すべての個体に制限を付加したBLUP法及び選抜候補個体のみに制限を付加したBLUP法によ る評価が有用であることを明らかにした。_x000D_ c) 限性形質など部分欠測のある記録を用いる場合は、BLUP法と線形計画法を組み合わせるか、家系選抜指数から逆算した重み付け値 から計算した総合育種価を用いるのが有用であるなど、選抜計画に適応した評価基準を明確にした。_x000D_ d) 成長と繁殖形質に関する因果関係を基に実施した選抜実験により、豚に代表される多胎動物で複数の形質の表形値間の因果関係を 考慮することで、選抜効果が変わることを明らかにし、両形質を同時に改良する場合には因果構造を把握したモデルの選択が、有効であることを明らかにした。_x000D_ 鶏の経済形質の改良に有用な遺伝情報の探索と遺伝子改変技術の確立に関しては、_x000D_ a) 原種である天草大王及びロードアイランドレッドと同様に、コレシストキニンA受容体遺伝子のSNP型が、肉用鶏生産現場における 交雑種である肉用鶏天草大王においても、産肉性の選抜における効果が期待されることを明らかにした。_x000D_ b) アラキドン酸が鶏肉のおいしさに関連していることを明らかにするとともに、アラキドン酸の代謝経路にある3つの酵素について、先に解析したD6DにD5DとEL5を加えた3つ全ての酵素の遺伝子に存在する3つのSNPから構成されるハプロタイプと、鶏肉のアラキドン酸含量に有意な関連があることを明らかにした。_x000D_ c) 初期胚から採取した始原生殖細胞を含む血液を1ヶ月間培養することにより、安定的に増殖する始原生殖細胞株を得た。1×106個の始原生殖細胞株に対して、蛍光遺伝子結合ベクターを導入することにより、外来遺伝子を安定発現する始原生殖細胞株を樹立した。_x000D_ d) 作製した始原生殖細胞株を宿主胚へ移植することにより、合計19羽の雄ニワトリを作出した。このうち性成熟した11羽のニワトリ は、全て精液由来ゲノム中に蛍光遺伝子配列が検出されたことから、移植された始原生殖細胞が精子へと分化している生殖系列キメラニワトリであることを明らかにした。_x000D_ e) 作製したニワトリから選抜した3羽について行った交配試験の結果、バラツキがあるものの、1羽の雄ニワトリから、全身で緑色蛍 光を発現する遺伝子導入産子を得た。_x000D_ ミツバチの蜂群の維持に重要な抗病性付与技術に関しては、_x000D_ a) ミツバチ幼虫を用いた感染実験において、抗アメリカ腐蛆病菌成分であるThurincin Hが、アメリカ腐蛆病発症抑制効果を示すことを明らかにした。_x000D_ b) Thurincin Hは飼料中で安定的に抗菌活性を維持できたことから、ミツバチ群に投与する際、飼料中に混合する方法での応用利用が期待できることを明らかにした。_x000D_ c) ノゼマ病に対する農薬散布の影響について、水田近隣で飼養している蜂群において斑点米カメムシ防除前後での感染率を調査した 結果、殺虫剤の散布前後で、微胞子感染に大きな変化が認められないことを明らかにした。_x000D_ d) 養蜂現場での検証結果を取り入れたマニュアル「養蜂における衛生管理」養蜂技術指導手引き書Ⅱ(1))を作成した。_x000D_ |
カテゴリ | 病害虫 育種 飼育技術 水田 鶏 農薬 繁殖性改善 斑点米カメムシ 評価基準 豚 防除 ミツバチ |