課題名 | 高商品性ニホンナシ・クリ及び核果類の品種育成と省力生産技術の開発 |
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課題番号 | 2015027810 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
神戸大学 大阪市立大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | ニホンナシの自家和合性又は自家摘果性の良食味品種の育成に関しては、_x000D_ a) 黒斑病に抵抗性で自家和合性を有する良食味の「なるみ」を品種登録出願した。_x000D_ b) 黒斑病・黒星病複合抵抗性4系統、自家和合性1系統を含む計6系統を供試して、系統適応性検定試験を開始した。_x000D_ c) 黒星病抵抗性、自家和合性、自家摘果性等の形質を付与した良食味品種育成を目的として、16組合せ、5,824粒の交雑種子を獲得した。_x000D_ d) 交雑実生1,321個体について特性調査を行い、30個体を再調査、914個体を淘汰、377個体を継続調査とした。_x000D_ e) 平成26年度獲得した交雑種子のうち1,754個体について自家和合性、黒星病抵抗性、黒斑病抵抗性、果皮色、収穫期に関するDNAマ ーカーを用いて幼苗選抜を行い、671個体を選抜した。_x000D_ ニホンナシ等の省力・軽労化技術及び果肉障害対策技術等の安定生産技術の開発に関しては、_x000D_ a) ニホンナシでは、樹体の水ストレスや収穫時期の遅延がコルク状果肉障害の発生を助長することを明らかにした。さらに、収穫時 期を前進させる満開100日後のエテホン散布で、コルク状果肉障害が低減すること明らかにした。_x000D_ b) モモでは、果実硬度の低下、糖度の上昇、果実中のCa含量の低下が、水浸状果肉障害の発生を助長することを明らかにした。さら に、花かす除去と強摘蕾処理の組み合わせが、果実中のCa濃度の増加をともなって、水浸状果肉障害果の発生を抑制することを明らかにした。_x000D_ c) ニホンナシにおいて、4年間継続した試験により、施肥量を1/2とした被覆尿素の春1回局所施肥においても、葉中窒素濃度、果実収量及び果実品質は全面施肥した場合と差異がないこと、施肥作業時間は約1/3程度になることを実証した。_x000D_ d) モモにおいて、一般的に使用されている硫酸カリ肥料に代えて塩化カリ肥料を使用すると、果実品質や収量、樹勢等に悪影響を及 ぼすことなく、肥料コストを1/3程度削減できることを明らかにし、成果情報等で技術を提示した。_x000D_ 核果類の系統評価及び新たな交雑種子の獲得、交雑実生の特性調査に関しては、_x000D_ a) 系統適応性検定試験において、早生で食味が優れるモモ1系統とやや早生で高糖度のスモモ2系統を見出した。_x000D_ b) モモでは着色良好で無袋栽培可能な白肉品種を中心に、ウメでは早生及び赤肉を、スモモでは黒斑病抵抗性を目標として、合計27 組合せ、287粒の交雑種子を獲得した。_x000D_ c) 交雑実生521個体について特性調査を行い、果実形質等が優れるモモ14個体、ウメ5個体、スモモ3個体、アンズ1個体の計23個体を 注目個体として選抜し、104個体を淘汰した。_x000D_ クリの系統評価及び新たな交雑種子の獲得、交雑実生の特性調査に関しては、_x000D_ a) 系統適応性検定試験において、「ぽろたん」より早生で易渋皮剥皮性の1系統を見出した。_x000D_ b) 易渋皮剥皮性の良食味品種の育成を目的として、12組合せ、2,232粒の交雑種子を獲得した。_x000D_ c) 交雑実生490個体の果実特性等を調査し、良食味や易渋皮剥皮性等の形質を有する8個体を有望として再調査することとし、342個体を淘汰、140個体を継続調査とした。_x000D_ このほか、_x000D_ a) 「豊水」の溶液受粉について、液体増量剤にホルクロルフェニュロン(CPPU)2ppmを添加することによって、結実率を慣行受粉程 度まで向上できることを明らかにした。_x000D_ _x000D_ |
カテゴリ | あんず うめ 果肉障害 くり 黒星病 軽労化 コスト 受粉 すもも 施肥 茶 DNAマーカー 抵抗性 品種 もも 良食味 |