土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築

課題名 土壌病虫害診断と耕種的防除技術開発による野菜の環境保全型生産システムの構築
課題番号 2015027829
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 農環研
正八つくば
パナソニックエコソリューソンズ社
三菱樹脂アグリドリーム株式会社
山形大学
奈良農研
広島農業技術センター
山口農業総合センター
徳島農業総合センター
愛媛農水研
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 省化学資材・環境保全と生産性を両立させる栽培体系の開発に関しては、転炉スラグによる土壌pHの矯正は、複数年にわ たってトマト青枯病の被害を軽減させる効果があり、耐病性品種や耐病性台木への接木を併用するとさらにその効果が向上した。その機構には低密度の病原細菌の生育抑制が関与している可能性を示唆した。
土壌微生物・病害虫診断技術の開発に関しては、
a) ホウレンソウ萎凋病菌について、土壌ごとに最適なDNA抽出・精製法を開発し、褐色低地土及び黒ボク土では菌密度が103個/g乾土 以上、グライ土においては104個/g乾土以上であれば、定量的に検出できることを明らかにした。
b) 土壌により菌密度-発病度曲線(DRC)の形状は異なるが、菌接種試験において、土壌に関わらず103個/g乾土以上の密度を検出し た場合は、積極的な防除が必要となることを明らかにした。
c) ホウレンソウ萎凋病を農業現場で簡易判定する生物検定法として、恒温条件下でポット栽培することにより、幼植物の段階で再現 性高く発病程度を判定できる技術を確立した。
d) レタスビッグベイン病の媒介菌休眠胞子に対する抗体を用いたDAS-ELISA法の開発により、感染根中の休眠胞子の計測を可能にした。
e) 土壌の破砕法を改善することにより、定量PCRで土壌500mgからレタスビッグベイン病媒介菌1個の定量検出を可能とするDNA抽出法 を開発し、発病リスクの評価等、土壌診断技術の開発に資する基盤的手法を確立した。
病害虫抑制を基幹とする野菜生産技術体系の開発に関しては、
a) 高温期ホウレンソウにおける遮光栽培で草丈20cm程度で遮光資材を除去し、5~8日経過後の晴天が2日続いた翌日の午前中に収穫することにより、出荷基準を満たして硝酸含量が低減するとともに、アスコルビン酸含量、株重・葉色が向上することを現地試験で実証した。この技術についてマニュアルを作成し、ウェブサイト上で公開した。
b) 消毒土壌に各種有機物を混和し、直後にホウレンソウ萎凋病菌を接種したところ、カラシナ混和土壌では速やかに菌検出限界以下 となるが、他の多くの有機物混和では、菌密度が増加することを明らかにした。
c) 各種有機物混和から3週間経過した土壌に病原菌を接種した場合では、混和直後では病原菌が増加した土壌でも病原菌は減少し、特に、キトサン、キチン、発酵牛糞、フスマを混和した土壌では大きく菌が減少し、強い発病抑止的な環境となっていることを認めた。
d) ホウレンソウ萎凋病の発病リスクについて予測診断技術と要防除水準を策定するとともに、生物的土壌消毒技術を確立した。また 、ホウレンソウの環境保全型野菜生産体系については、生物的土壌消毒や遮光制御技術、ホウレンソウケナガコナダニ対策技術等の生産体系について現地で実した。
e) アブラナ科根こぶ病について、おとり植物としてのエンバクや葉ダイコン、新規農薬フルスルファミド粉剤等の発病抑止・菌密度 低減効果を明らかにして根こぶ病の制御・管理技術を開発し、個別技術マニュアルを作成した。
このほか、
a) 捕食性天敵の餌となる害虫などの種特異的なDNA塩基配列(ミトコンドリアDNAなど)を利用したプライマーを作成し、PCR法を行うことにより捕食性天敵のほ場での捕食歴を調査することを可能にした。
カテゴリ 病害虫 有機栽培 有機農業 あぶらな 害虫 からしな 管理技術 栽培体系 出荷調整 新規農薬 診断技術 生物検定法 台木 だいこん 耐病性品種 土壌消毒 土壌診断 病害虫防除 防除 ほうれんそう ホウレンソウケナガコナダニ

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