課題名 | 土地利用型大規模経営に向けた農作業ロボット体系の開発 |
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課題番号 | 2015027831 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
JAXA 日本農業機械工業会 株式会社やまびこ 首都大学東京 株式会社丸山製作所 ヤンマー株式会社 宮城県農業・園芸総合研究所 秋田県農林水産技術センター農業試験場 山形大学 井関農機(株) |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 農作業ロボットの高度化に関しては、 a) ロボットトラクタは、ダイズ自動播種作業での播種位置精度を進行方向偏差±5cm程度まで向上させ、実用上問題ない作業を可能とした。また、異なる機種・機体等に対応が容易となるよう、ソフトウェアプラットフォームを開発した。モジュールを変更・追加することで効率的な農業機械のロボット化を実現した。さらに、マルチロボット作業システムの構築に向けて開発した遠隔監視機能により、200m程度の遠隔地での自動作業の監視を可能とした。 b) 土付苗を利用する田植機に自動操舵可能な運転支援装置を取り付けることにより、湛水してマーカーが見えない状態で直進部での 自動移植を可能とし、さらに、その間のオペレータによる苗補給も可能とした。 c) ダイズコンバインロボットによる収穫同時排出作業にフレコンを搭載できるコンバイン運搬用トレーラを利用することで、コンバ インの収穫と収穫物の運搬の兼用を可能とした。 d) 自動操舵装置を装着したトラクタにより水稲乾田直播作業、ストローチョッパによる掃除刈作業、ブロードキャスタによる土改剤 散布作業、耕耘作業等を実施して実用上、十分な精度で作業可能であることを確認した。 安全性確保に関しては、「車両系農作業ロボット1台を使用する場合の安全性確保のための技術資料」を提案するとともに、複数ロボ ットが同時に作業を行った時を想定したリスク分析を行い、技術要件第1案を作成した。 農作業ロボットの通信制御の共通化技術に関しては、平成25年度にISOに提案したトラクタ3点ヒッチ水平制御に関する規格はSAE(米 国自動車技術会)で審議が終了し正式採択された。昨年度イタリアと共同で提案した低出力・低価格な農業機械化に対応した低コストISOバスに関する規格は継続審議中である。ISO 11783規格を参考に「国内における農業機械の制御通信共通化のための基礎的な技術要件」をJIS規格化した。 農作業ロボット体系に関しては、一定の分散状態を仮定して人が運転して圃場間移動を行うことを考慮すると有人無人協調による耕耘作業の場合、オペレータ1名がトラクタ1台のみを運転する場合の1.1~1.7倍の作業能率が見込めること、また、標準区画では圃場間距離が300m以上ではメリットが出にくく、1ha程度の大区画では500mの分散距離でも1.5倍の作業能率が見込めることを明らかにした。 このほか、 a) 高齢者や農作業に不慣れな者でも、身体負担が少なく安全で簡単に作業を行うため、ユニバーサルデザインの視点から「背負いや すさを向上させた背負型動力噴霧器」を開発し、平成27年度から市販化された。 b) マルチステージネギ移植機により、セル苗を用いた慣行作型及び地床苗による夏越しリスクを回避した新たな遅植え作型が1台の移植機により対応可能であり、全自動ネギ収穫機の導入により、収穫作業の約60%省力化を達成した。 c) ラッカセイ収穫機の導入により、収穫作業の投下労働時間を慣行に比べて半減できること、身体に対する労働負担を軽減できる効 果を現地で実証した。 |
カテゴリ | 乾田直播 管理システム 機械化 市販化 収穫機 省力化 大規模経営 大豆 通信制御 低コスト ねぎ 播種 ロボット ロボットトラクタ |