課題名 | 飼料等の家畜飼養環境の安全性確保技術の開発 |
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課題番号 | 2015027842 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
国立感染症研究所 九州大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 生産段階における食の安全を確保するための簡易かつ特異性の高い診断手法の開発に関しては、 a) 薬剤耐性菌の世界的な発生起源ともいわれるインドの環境由来大腸菌のプラスミド全塩基配列を解析することにより、インド国内 の環境が広範に薬物耐性菌に汚染されていることを明らかにした。 b) 日本国内の家畜由来Salmonella Typhimurimの解析では、5薬剤耐性株が40%以上であったが、人の抗生物質治療の上で深刻な問題 となるカペバペネム系及びフルオロキノロン系薬剤に対する耐性は見られないことを明らかにした。 c) サルモネラの薬剤耐性遺伝子領域であるGI-VII-6の多コピー化により薬剤耐性が増強され、多コピー化は特定の挿入配列ISが起点 となって起こることを明らかにした。 d) 系統ゲノミクス解析により、地理的に離れた農場で分離された腸管出血性大腸菌O157菌株の特異的な12遺伝子を数塩基の差異で検出し、これらの農場間に疫学的関連があることを明らかにした。 e) フザリウムかび毒であるニバレノールについて、鶏への投与試験を用いて経口的、非経口的毒性用量を明らかにした。マウスへの 投与試験により小腸パイエル板における免疫担当細胞数やサイトカイン遺伝子発現解析から、低用量曝露においても免疫能に影響がある可能性を示した。 f) 関東で検出率が高いフザリウムかび毒フモニシンについて、同一菌株においてかび毒生産とかび毒非生産の液体培養手法を開発し 、菌体重とかび毒生産性の関係を明らかにした。 g) 植物由来低抗生物質アグマチン添加とフザリウム属真菌のデオキシニバレノール産生との関連について、これまでに遺伝子レベル で変化を検出していたが、多数のタンパク発現も変化することを二次元電気泳動により明らかにした。 h) 細胞を用いた有機汚染物質の包括的解析手法として、上記a)のインドの環境水の抽出物をラットの初代培養肝細胞に作用させ、リ アルタイムPCRで解析することによって、医薬品様化学物質代謝能の誘導性と耐性菌汚染の程度が正の相関を示すことを明らかにした 。 i) モデル薬物に対し、牛肝実質細胞由来不死化細胞の薬物代謝酵素遺伝子発現量の変動をリアルタイムPCR法で解析する方法で、生体の応答を模 |
カテゴリ | 診断技術 耐性菌 鶏 防除 薬剤 薬剤耐性 |