2-(2)内水面漁業の振興とさけます資源の維持・管理のための研究開発

課題名 2-(2)内水面漁業の振興とさけます資源の維持・管理のための研究開発
研究機関名 国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産技術研究所
環境・応用部門沿岸生態システム部
環境・応用部門沿岸生態システム部 内水面グループ
環境・応用部門沿岸生態システム部 亜寒帯浅海域グループ
温帯浅海域第1グループ
環境・応用部門水産工学部 漁業生産工学グループ
養殖部門シラスウナギ生産部 量産グループ
国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所
さけます部門資源生態部
さけます部門資源生態部 資源管理グループ
さけます部門資源生態部 増殖グループ
さけます部門資源増殖部 技術課
さけます部門資源増殖部 事業課
さけます部門資源増殖部 本州技術普及課
さけます部門資源増殖部 さけます事業所
水産資源研究センター社会・生態系システム部 沿岸生態系グループ
水産資源研究センター社会・生態系システム部 漁業生態系グループ
水産資源研究センター生命情報解析部 ゲノム情報解析グループ
水産資源研究センター底魚資源部 底魚第3グループ
水産資源研究センター海洋環境部 暖流第1グループ
寒流第1グループ
水産資源研究センター生命情報解析部 分子機能グループ
協力分担関係 北海道大学
東京大学
(地独)北海道立総合研究機構
栃木県水産試験場
鹿児島県
全国内水面漁業協同組合連合会
山形県
(一社)全国さけ・ます増殖振興会
(学)北里研究所
岩手県水産技術センター
研究期間 2016-2020
年度 2020
摘要 ・1956年以降にニホンウナギの仔魚が採集された海域の海洋環境指標の時系列データ及び2014?2020年に東経131度を中心とする海域で採集された年別平均仔魚密度を整理・解析した結果、台湾と日本の同種の稚魚であるシラスウナギ採捕量は海洋環境のみでは説明できなかったが、シラスウナギの来遊時期の約半年前に131度を中心とする海域の仔魚密度を調べることで、シラスウナギ採捕量の多寡を予測できる可能性が示された。
・シラスウナギCPUE(採捕数/採捕許可数)と黒潮の時系列データを整備して混合効果モデルを開発し、シラスウナギCPUEと黒潮の流量及び接岸距離との関係を解析した。これにより、黒潮流量が大きいほど、シラスウナギCPUEが大きいことが明らかとなった。
・ニホンウナギの国際資源管理において最も重要である絶滅リスク評価について、信頼区間の推定の精度向上や、信頼性を確保するために必要な時系列の長さについての検討を行い、実際のデータのような短い時系列でも多くの場合で信頼性の高い絶滅リスク評価が可能なことがわかった。
・ニホンウナギの生活史(生物個体の発生から死までの全生活過程)と個体群特性について検討し、これまで明らかになっていなかった内湾域における産卵回遊中の親魚候補となる個体の生活史型と生物学的特性を整理した。明らかになった利用水域の履歴や性比に基づき、保全に効果的な生息域を特定した。また、近年利用頻度の減少や性比の偏りがみられた水域については、水域間の接続性の回復と生息環境の修復を行う必要があることを学会発表で提案した。
・ニホンウナギの産卵回遊による生活史特性を考慮し、数理モデルを枠組みに、漁獲量・集団遺伝・衛星タグによる回遊調査を中心的データとして絶滅リスクや資源動態を予測し、資源管理・保全を行っていくという方向性を整理した。
・渓流魚(イワナ、ヤマメ等)の生残率向上、放流効果向上に対する気候変動適応策として効果的と考えられたカバー(隠れ家)としての障害物設置について、追加試験の結果をまとめて論文として投稿した。アユについて次世代に寄与する産卵群の保全手法として、河川ごとに環境DNA(環境中から採取される生息生物由来のDNA)や耳石の日輪の分析結果から保全すべき場所・時期を特定し、その場所・時期について漁獲規制、産卵場整備を行うという一連の方法を開発した。
・水中に浮遊し水に溶けない固体粒子である懸濁物が2μm以下の粒径の場合、飼育水の濁度はイワナ稚魚では100 mg/L以下、ヤマメとアユ稚魚では500 mg/L以下であれば、成長率や肥満度に悪影響は無く、鰓に物理的な損傷も与えないため、飼育中はこれらの濁度が基準となる。
・内水面の漁業協同組合(以下、漁協とする。)への加入希望者が遊漁者に多いことを明らかにし、組合員増の方策として遊漁者への組合加入の呼びかけを提言した。アユ、渓流魚それぞれについて組合ごとの放流事業の採算性を確認する指標を作成した。漁協の支出の中で放流事業は大きな割合を占めるため、漁協はその指標を利用し、放流量や放流方法、遊漁者の集客方法等を見直すことにより、漁協の経営改善を図れると考えられた。遊漁振興の65の方法を考案しとりまとめた。
・サケ種卵の減耗主要因であるミズカビ症について、ふ化場環境中の微生物群集のミズカビ生長抑制効果について検証試験を行い、飼育水槽での卵管理においても一部の微生物の添加がミズカビの生長を遅くする事を解明した。
・サケについて、北海道では10水系の標識別河川回帰数と放流履歴との関連を一般化加法モデル(GAM)で検討し、効果的なサイズ、放流時期等の条件は水系により特異的であることを明らかにした。そのうち十勝川サケ後期群について、沿岸で再捕された幼稚魚の降海履歴、降海時沿岸水温、再捕時海水温及び再捕時体サイズの情報から放流モデルの原型を作成し、回帰に及ぼす好適放流環境を含めて提案する。
・本州では資源変動要因及び地域特性をふまえたサケ放流モデルの原型として、岩手県のサケ来遊数を稚魚降海時期の親潮南限緯度と放流時期の重心で説明するGAMを作成した。
・三面川においてサケの発眼卵放流の有効性を総合的に検討した結果、発眼卵放流は稚魚期までの生産性は高いと考えられたが、2020年回帰魚のみの暫定的な結果ではその回帰率は稚魚放流に比べて極めて低い結果と判断された。
・カラフトマスについて、平成27年度以降の放流試験及び回帰親魚調査の結果を取りまとめ、河川水管理による仔稚魚の発育速度の制御と採卵時期の遅延により、沿岸環境が好適となるタイミングで放流できることを示した。
・さけます類について、野生魚と放流魚について生態学的・遺伝学的・資源学的データを取りまとめ、野生魚と放流魚双方を利用した管理手法として、放流魚集団の自然環境への適応度低下を緩和する種苗生産方法や、ふ化場魚への漁獲率を高めるための海中放流、野生魚資源を増加させるための捕獲親魚の不用魚の放流等を提案した。個体群維持のためのふ化及び放流、回帰親魚のモニタリングを計画に沿って行ったが、一部のふ化場では極端な親魚不足により種卵の確保が困難となった。民間ふ化場への技術普及は、コロナ感染防止対策のため受け入れ側と十分に連絡調整を行った上で実施し、現地訪問による技術普及のほか、電話対応や資料送付による技術情報の提供を行った。
?農林水産大臣が定めた放流計画に則り、サケ1億2千900万尾、カラフトマス720万尾、サクラマス213万尾、ベニザケ5万尾の放流を行うため種苗生産を行った。
〔アウトカム〕
・ニホンウナギの仔魚調査は、新規人工餌料開発課題へ天然サンプルを提供し、種苗生産の発展に寄与した。同種の稚魚であるシラスウナギの不漁の際に、水産庁の依頼によりに関係資料を提供した。
・シラスウナギCPUEと黒潮の流量及び接岸距離との関係についての知見は、国による今後のニホンウナギ資源の管理・保全に寄与する。
・今後、国際自然保護連合(IUCN) レッドリスト及びワシントン条約(CITES)の重要な資料となるニホンウナギの絶滅リスク評価は、本研究で新しく開発した信頼区間を用いて評価することとなる。
・ニホンウナギについて得られた成果を活用し、国際的な要請(IUCN、四カ国地域非公式会合、東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC))、新規水産庁事業の獲得、関連学会への協力等に対応した。
・内水面漁業協同組合の経営改善方策と内水面の遊漁振興方策については公表され、漁協等による利用が始まった。
・北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)及び日本とロシアの交渉に必要となる日本系さけ・ます類の漁獲情報等を提供した。
・秋さけ資源管理調整協議会に、来遊見込みの情報を提供したほか、秋サケ来遊数低迷に関して、自民党議員連盟、水産庁、関係道県等に情報提供した。
・秋田県ふ化場技術者講習会にて発眼卵放流の手法に関する講演を実施したほか、富山県農林水産総合技術センターによるサクラマス発眼卵放流調査(水産庁委託調査事業さけますふ化放流抜本対策事業)に関して現地指導を行った。
・市民団体主催のイベントにおいてさけます類の野生魚と放流魚が抱える問題等について参加者に説明し、情報発信を行った。
・さけます類のふ化放流に関し、関係道県に対し、133回の技術普及と電話・ファイル送付等による131件の技術情報提供を実施した。
カテゴリ 経営管理 水管理 モニタリング

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