課題名 | マーケットニーズに基づいた有機野菜の探索と安定生産技術の確立 |
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研究機関名 |
島根県農業技術センター |
研究分担 |
栽培研究部・有機農業科 |
研究期間 | 継R3~5 |
年度 | 2021 |
摘要 | ■目的:有機野菜の一定ロットを生産可能とする産地形成モデルの構築のため、省力安定かつ高品質生産技術の確立を目指す。そこで、水田ほ場を利用したマーケットニーズの高い品目の安定生産技術を確立し、有機農業に取り組む担い手や新規就農者等に提案することで、一定ロットを生産可能な有機野菜産地を形成し、販売ターゲットとしている首都圏等への販路拡大を目指す。また、販路や栽培技術面で安心して有機野菜に取り組むことが可能となり、新規就農者の着実な確保や生産面積の拡大が期待できる。また、葉物中心の既存産地においても、新規アイテムの増加によりさらなる販路拡大、生産拡大が可能となる。 ■成果:【有機野菜の安定生産技術の確立】有機野菜で新規性がある品目として、モロヘイヤ、ミニカボチャ、サツマイモ、サヤインゲンを試作し、有機栽培適性を調査した。 モロヘイヤとサヤインゲンは露地栽培の収量がそれぞれ126kg/a、179kg/aと高く、品質も良好であったため有機栽培に適するものと判断し終了とする。ミニカボチャとサツマイモは収量は十分取れたが、品質面で課題が残ったことから課題解決策を講じて継続実施とする。 次に、安定した需要がある品目として選定したニンジン、ジャガイモ、キャベツ、ブロッコリーの栽培技術の確立に取り組んだ。ニンジンは無防除、ジャガイモ、キャベツ、ブロッコリーは1~3回の有機JAS適合農薬散布により収穫に至った。各品目いずれも収量は高く、品質も問題はなかった。次年度は異なる作型で検討するほか、現地で使用される品種を供試し調査を継続する。 最後に病害虫雑草防除方法の検証をニンジン、ブロッコリー、イチゴで行った。ニンジンでは雑草抑制効果について、太陽熱消毒と多孔マルチ被覆で比較したところ、太陽熱消毒区が多孔マルチ被覆区より断然優れた。また、作業時間の比較では太陽熱消毒処理にかかる作業時間が多孔マルチ被覆栽培の2倍かかった。ブロッコリーでは、チョウ目成虫の飛来忌避効果のある超音波装置を用いて、忌避効果を確認したが、対照区でチョウ目の飛来が少なく超音波発生装置の効果は判然としなかった。イチゴでは病害虫防除について検証し、有機JAS適用の薬剤使用と天敵放飼により害虫抑制の効果が見られつつある。 |
カテゴリ | 有機栽培 有機農業 いちご 害虫 かぼちゃ キャベツ 高品質生産技術 栽培技術 雑草 さやいんげん 水田 生産拡大 にんじん 農薬 ばれいしょ 病害虫防除 品種 ブロッコリー 防除 モロヘイヤ 薬剤 |