きのこ類の子実体形成機構の解明

課題名 きのこ類の子実体形成機構の解明
課題番号 2001001170
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 きのこ・微生物研究領域
森林総合研究所 きのこ・微生物研究領域 きのこ研究室
森林総合研究所 九州支所 森林微生物管理研究グループ
森林総合研究所 きのこ・微生物研究領域 微生物工学研究室
森林総合研究所 樹木化学研究領域 樹木抽出成分研究室
森林総合研究所 木材改質研究領域 木材保存研究室
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的  1)きのこ類の子実体形成関連遺伝子の単離  当年度は、シイタケとヒラタケにつき、子実体形成時に特異的に発現する遺伝子の単離に着手する。また、シイタケの連鎖地図上への子実体形成関連遺伝子のマッピングを開始し、さらにエノキタケにおける子実体形成不全株の菌体外酵素の活性を解析する。 2)きのこ子実体形成誘起物質の探索及び合成 エノキタケの使用済み培地(廃菌床)の栽培試験を行う。また、廃菌床の分画を開始する。子実体誘起活性を持つ両親媒性化合物を合成し、その子実体誘起活性を検定する。 2.当年度の試験研究方法 1)きのこ類の子実体形成関連遺伝子の単離  ヒラタケの菌糸、原基、子実体の各ステージのRNAを抽出した。シイタケでは、さらに子実体形成時に特異的に発現するcDNAライブラリーを作製した。エノキタケの正常株と形成不全株の菌体外ラッカーゼ活性を比較した。 2)きのこ子実体形成誘起物質の探索及び合成 エノキタケ生育後の菌床を半分かき取り、その上に新しいオガ粉・米ぬか培地を重層した培地のエノキタケの子実体形成への影響を調べた。廃菌床中の子実体誘起物質を精製するため、ます廃菌床をメタノールで抽出し、ヘキサン、酢酸エチル、水可溶性画分に分画した。また、グルコースにアルキル基を導入した両親媒性物質を合成し、実験室で子実体を作りにくい木材腐朽菌について子実体誘起活性を検定した。 3.当年度の研究成果 1)きのこ類の子実体形成関連遺伝子の単離  シイタケの菌糸体と原基、および子実体についてmRNAを抽出し、それぞれからサブトラクションライブラリーを作製した。各クローンをショットガン・シークエンスし、約200個の遺伝子を得た。ヒラタケも菌糸と子実体の各培養ステージからRNAを単離した。ヒラタケの子実体関連遺伝子についても、シイタケと同様の手法で今後実験を進める。シイタケの連鎖地図マーカーとしては、交配型遺伝子に連鎖したマーカーを2種類同定した。エノキタケの子実体形成不全株と正常株の菌体外ラッカーゼ活性を測定したところ、子実体形成不全株はほとんどラッカーゼ活性を発現していないことが明らかになった。 2)きのこ子実体形成誘起物質の探索及び合成 無処理の新しい培地に比べて、廃菌床混合培地で明らかなエノキタケの子実体形成促進効果が認められ、子実体の発生量が多かった。次に子実体誘起物質の精製を開始した。廃菌床と廃菌床をオートクレーブ処理したものそれぞれを10時間、有機溶媒抽出を行った。有機溶媒可溶性画分をさらに別の有機溶媒で抽出し、各抽出画分と水可溶画分に分画した。一方、最初の有機溶媒抽出残さは、熱水抽出を10時間行い、熱水可溶部、熱抽出残さに分画した。各画分を添加したYBLB(イーストエキス、BTB、乳糖、ペプトン)培地にエノキタケコロニー断片を接種し、室温で振とう培養した。この方法では、YBLBの色の変化によって、エノキタケの子実体形成能が予測出来る。その結果、2週間後に培地の色に変化が表れ、各画分による色調の違いも明らかになった。グルコースにアルキル基を導入した化合物、(C8とC10)を合成した。これらを麦芽寒天培地に添加し、木材腐朽菌を接種し、24℃で2週間培養した後光照射を行った。その結果、シャーレ培地上に小さな原基や子実体様物質が形成されることを確認した。以上、これら両合成物質の子実体誘起活性が確認された。
カテゴリ えのきたけ しいたけ 木材腐朽菌

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