課題名 |
きのこ類の子実体形成機構の解明 |
課題番号 |
2002003232 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 T長(子実体)
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研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2002 |
摘要 |
ヒラタケの子実体形成に関与する遺伝子の単離に取り組み、ヒラタケの原基で特異的に発現する遺伝子断片を単離した。また、シイタケの交配因子AおよびBに強く連鎖するDNA断片をクローニング・シークエンスした。それらの塩基配列情報に基づき、両交配因子を選択的に増幅するためのPCRプライマーを設計した。これらのプライマーを使用すれば、シイタケの交配型をPCRによって簡単に検出できる。ヒラタケの子実体誘起物質としてアルキルグルコース誘導体を合成し、麦芽寒天培地に添加して子実体形成試験を行った。その結果、アルキルグルコース誘導体は、ヒラタケ以外の木材腐朽菌であるカワラタケ、オオウズラタケに対しても、子実体形成活性を保持することが明らかになった。この結果は、実験室で子実体形成が困難な木材腐朽菌にアルキルグルコース誘導体を使用し、子実体を形成させて菌株を判定できる可能性を示した。エノキタケの子実体形成を促進する物質を、廃菌床(使用済み培地)から単離・精製することに取り組んだ。その結果、エノキタケ廃菌床から単離した熱水抽出成分が、子実体形成活性を持つことを明らかにした。これらの結果は、廃菌床の新たな再利用法の開発を示唆する点で意義がある。
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カテゴリ |
えのきたけ
しいたけ
木材腐朽菌
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