省力化のための植栽技術の開発

課題名 省力化のための植栽技術の開発
課題番号 2003004385
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 省力化のための植栽技術の開発当年度の試験研究方法:植付作業機によるコンテナ苗植付けを想定して、てん圧の必要性を検討する。耕耘・植付け作業機のギヤボックスに、オーガビットとプランティングチューブを取り付け、相互の稼働の連動を調整する。コンテナ育成のための基本培地としてモミ殻を破砕したものの利用を検討する。シードプラグの材料、形態、成型方法を改良し、発芽、成長試験を行う。種子カプセルの発芽、成長試験を行う。前年に引き続き、七会試験地において地拵え・植付け試験地の追跡調査を行う。マルチ展張装置の本体を設計し、研究所内で自作により試作する。当年度の研究成果:イネモミ殻粉砕物のコンテナ苗基本培地利用の可能性を解明し、シードプラグ本体の開発を完成した。コンテナ苗植付け機にてん圧機構が必要なことを解明し、植付け機と耕耘機の同架機構の開発を完成した。マルチ展張機械を試作し、比較の為の人力展張の能率を明らかにした。1) 機械植付けに適した造林材料と植付け機構  コンテナ苗の基本培地として、入手が容易なイネのモミ殻を用いた。粉砕したモミ殻を粒径別に篩い分け、保水性と排水性についてカラム試験を行い、ココナツハスクベースの優良な培地と比較した。その結果、粒径が0.1~2.0mmのものを適切に混合すると、基本培地として利用できる可能性が高いことがわかった。昨年度試作したシードプラグ(種子カプセル)は、粗孔隙に乏しく根がプラグ内に広がらなかった。このため、材料や成型方法の改善により、多孔性のプラグを実現し、草本で効果を確かめた。コンテナ苗の機械植付け時のてん圧の必要性の検討を行った透明な樹脂板で囲った土層試験機を製作し、密度や含水率を数段階に設定した土壌を詰め、これを油圧で締固め、沈下量と回復量の関係を求めた。この結果、土壌の含水率が低いほど、密度が高いほど、回復量は大きくなるが、最大に回復した場合でも植穴と苗木根鉢の隙間は埋まらないことがわかった。耕耘・植付け作業機については、ギヤボックスに、オーガビットと空圧ブレーキを付加した。互いに逆回転する2つのオーガ間を機器が互いに衝突、接触することなく植付機を通すため、ギヤボックスの噛みあわせを考案した。2) 機械植付けに適した地拵えの方法  昨年度に引き続き、笠間市七会試験地において地拵え・植付け試験地の追跡調査を行った。冬季にノウサギによる食害が著しく、それに起因する枯死が見られた。本年度の夏季は昨年度と比較して低温多雨傾向にあったので、乾燥による新たな枯死はほとんど見られなかった。3) 機械によるマルチ展張処理 マルチ展張機械の試作を行った。高さ400mmの脚を持つ方形のフレーム部と、フレーム上をベルト駆動により前後に走行する架台部からなり、架台部はマルチシートのロール、把持装置、および地上へのシート固定ピンの打ち込み装置からなる。シートの末端部をピンで地上に固定した後、架台の走行によりシートが展張される。末端をピンで固定した後、切断し、架台は初期の位置に戻るという機構である。試作機は幅、長さともに1500mmまでのシートを展張することが出来る。架台部の試作完了は、調達部品の関係から本年3月の見込みである。機械展張との比較のため,茨城森林管理署管内の試験地で人力によるマルチングの要素作業時間を測定した。1枚のマルチシートを敷くためにかかる時間は15?35秒であった。傾斜と作業時間との間には明確な関係は見られなかった。この結果から,マルチ展張機械が人力作業の能率を上回るためには,留め具の打ち込みの効率化,展張にかかる時間の短縮が必要であることが確かめられた。
カテゴリ 乾燥 機械化 経営管理 省力化 排水性

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