きのこ類の子実体形成機構の解明

課題名 きのこ類の子実体形成機構の解明
課題番号 2003004443
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 きのこ類の子実体形成機構の解明当年度の試験研究方法:ヒラタケの子実体形成時における3つのステージ(培養菌糸、原基、子実体)において、原基で特異的に発現している約500bpの2つのcDNA断片(T19-4, W3-7)をクローニングし、塩基配列を決定した。両クローンの推定されるアミノ酸配列についてデーターベースを検索した。シイタケの子実体形成過程において特異的に発現する遺伝子群をPCRサブトラクションにより単離した。得られた遺伝子cDNA断片の塩基配列を解析し、推定されるアミノ酸配列を遺伝子データベースと照合した。また、定量的RT-PCRにより、それら遺伝子の各ステージにおける発現パターンを調べた。エノキタケ廃菌床由来の子実体形成に寄与する活性成分をオガ粉・米ぬか培地に添加し、エノキタケ正常株と形成不全株を栽培した。当年度の研究成果:シイタケの交配因子の解析のために、シイタケ子実体の遺伝子ライブラリーを構築した。14年度から引き続き、シイタケの子実体形成過程において特異的に発現する遺伝子群をPCRサブトラクションにより単離した。得られたcDNA断片の塩基配列を解析し、推定されるアミノ酸配列を遺伝子データベースと照合した結果、種々の機能が予想される遺伝子産物の他、データベース上のタンパク質と相同性を示さないいくつかの新規遺伝子の存在が明らかとなった。そこで、定量性RT-PCRによりそれら遺伝子の発現パターンを調べたところ、原基、および子実体においてmRNAの発現量が顕著に増大していた。これら遺伝子のcDNA断片をプローブとしてシイタケの子実体におけるcDNAライブラリーに対しスクリーニングを行い、いくつかの全長cDNAをふくむクローンを得た。ヒラタケのcDNAをRAPD分析した結果、3つのステージ(培養菌糸、原基、子実体)において、原基で特異的に発現しているDNA断片がいくつかみつかった。その中で、約500bpの2つのcDNA断片(T19-4, W3-7)をクローニングし、塩基配列を決定した。両遺伝子から推定されるアミノ酸配列についてデーターベースを検索した結果、T19-4は酵母Candida属のリパーゼと非常に高い相同性を示した。一方W3-7に対しては、データーベース上のアミノ酸配列の中に特に高い相同性を示すものが存在していなかった。YBLBアッセイで活性が認められたエノキタケの廃菌床由来成分について、栽培試験を行った。エノキタケ正常株とそれが劣化して子実体形成不全株となった2菌株を用い、標準培地、標準培地+正常株の廃菌床、標準培地+廃菌床由来活性画分(1ビン当たり0.16g添加)を栽培した。その結果、廃菌床由来画分を添加した場合、子実体発生までの日数短縮には効果が認められなかったが、子実体の収量増加と子実体の揃い(品質向上)は正常株と劣化株の両方で効果が認められた。しかし、廃菌床由来成分の添加量を増加させると、効果が見られなくなったため、至適濃度が今回試みた0.05%よりさらに低濃度であることが推定された。
カテゴリ えのきたけ しいたけ データベース

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