a 森林生物の生命現象の解明

課題名 a 森林生物の生命現象の解明
課題番号 2006008660
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 企画部
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 ・ ポプラ由来cDNAライブラリーに含まれる約4万種類の完全長cDNAの末端塩基配列(EST)を解析して、19,841種類の完全長cDNAの情報を収集し、cDNAがコードするタンパク質の機能により22の区分に分類した。これは発現遺伝子の総数の約40%に相当し、ポストゲノム研究の進展に大きく貢献することが期待できる成果である。傷害・乾燥ストレスを受けたスギ木部から遺伝子断片1,050種類を収集して塩基配列を解析し、263種類を推定される機能から12の機能区分に分類するとともに、心材形成に関わる5種類の遺伝子を同定した。スギ花粉から1,929種類の遺伝子のEST情報を収集して、雄性不稔遺伝子の候補遺伝子を254種類選抜し、うち35種類をスギ基盤連鎖地図上へ位置付け、雄性不稔候補遺伝子の絞り込みへ繋げた。ヒノキで多型性の高い15遺伝子座のマイクロサテライトマーカーを開発した他、ヤツガタケトウヒの集団間での明確な遺伝的分化と、遺伝的多様性が低い集団での近親交配の危惧を指摘した。・ シイタケ子実体形成時に子実体原基等で発現している遺伝子をもとにcDNAライブラリーを構築し、この中から子実体形成に関連する遺伝子としてLe.flp1 を単離した。この遺伝子の塩基配列から推定されるタンパク質が細胞接着活性を持つFasciclinタンパク質に類似していることを明らかにし、遺伝子レベルでの子実体発生機構の解明に?がる足がかりを得た。菌根性きのこで効率の良い遺伝子組換えを行うために、T-DNAバイナリーベクター系を利用した遺伝子組換え系を開発した。この組換え系により、アグロバクテリアの感染を介して遺伝子組換えしたハナイグチで、導入した遺伝子の形質、すなわちハイグロマイシン耐性と蛍光タンパク質の2つの形質の発現を確認することができた。これは、菌根性きのこへアグロバクテリアの感染を介して遺伝子を導入し、さらに導入した両形質を発現させることに成功した世界で最初の例であり、組換え技術を利用してきのこの遺伝子機能を解明する道を拓くことができる成果である。
カテゴリ 乾燥 しいたけ

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