h.疾病及び病原体の疫学的特性解明による防除対策の高度化

課題名 h.疾病及び病原体の疫学的特性解明による防除対策の高度化
課題番号 2006008566
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 疫学研究チーム
協力分担関係 農林水産省消費・安全局
三菱総合研究所
東京大学
日本獣医生命科学大学
日本生物科学研究所
国立医薬品食品衛生研究所
高知大学
(株)日立東日本ソリューションズ
富山県食肉衛生検査所
日本草地畜産種子協会
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 (1)大腸菌の酸や熱などの外部要因に対す抵抗性では、試験管内で維持した大腸菌はサルモネラやエンテロバクターに比べ強いストレス耐性能を有するが、乾草主体の飼料を給餌された牛の糞便中に存在する大腸菌は試験管内に比べマイルドなストレス耐性を示した。このような乾草給餌牛の大腸菌は堆肥化の過程で容易に死滅するものと考察する。豚由来サルモネラについてパルスフィールド電気泳動法で分子疫学的に解析したところ、DT104関連遺伝子や病原遺伝子等の保有状況は血清型あるいは株間で異なることを明らかにした。野鳥での感染症病理学的解析ではアスペルギルス感染症等を認めたが、新興・再興感染症であるウエストナイルウイルス感染症は認めなかった。サルモネラの野鳥における保菌率は約6%であり、その主たる血清型はネズミチフス菌であり、野鳥が保菌する病原性大腸菌の性状は牛由来株とは異なることを明らかにした。豚のMycoplasma hyopneumoniaeにはマクロライド耐性株が存在すること、およびその耐性メカニズムを明らかにした。また、本菌を分離せずに耐性菌を検出する手法を開発した。さらに、これまでわが国では分離されていなかった豚のActinobacillus porcitonsillarumの存在を見いだした。(2)牛海綿状脳症(BSE)サーべイランスの評価法として階層構造の評価系を構築し、その有効性を確認するとともに、サーベイランスの分析からと畜場における検査時間の短縮、死亡牛の獣医師による届出割合の増加が明瞭であった。また、全国のヨーネ病発生農場のサーベイランスデータを分析し、摘発時の農場の状況によってその後の発生の様相が異なることを明らかにした。BSEに関する疫学的解析の結果から、1996年生まれのBSE感染牛と2000年前後生まれの感染牛では感染経路が異なり、2000年生まれの牛では1996年生まれの牛が感染源となった可能性が考えられた。さらに、茨城県の鳥インフルエンザ発生地域において症例対照研究を実施し、農場間の器具の共有や卵トレーの不完全な衛生管理などが農場間の伝播に関与していることを明らかにした。畜産農家データベースに経緯度情報を付加して、地図表示を可能にした「地図情報システム」(GIS)を構築し、家畜伝染病発生時の制限区域設定、防疫作業等の情報を一括管理するシステムを制作した。繋ぎ飼いの酪農家における乳房炎の疫学的調査および経済損失評価を実施した。リスク評価ではリスクマネージメント手法の収集をはかるとともに、腸炎ビブリオをモデルとして定量的リスク評価を検討し、ブートストラップサンプリング、ベイズ推測等を導入することにより合理的評価が可能であることを明らかにした。
カテゴリ 病害虫 耐性菌 データベース 抵抗性 肉牛 乳牛 評価法 防除

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