ベトナムにおける農協および農村金融の農家経済に及ぼす影響に関する研究

課題名 ベトナムにおける農協および農村金融の農家経済に及ぼす影響に関する研究
課題番号 2006008457
研究機関名 農林水産政策研究所
研究分担 農林水産政策研究所 国際政策部 アジアアフリカ研
研究期間 完了2005-2006
年度 2006
摘要 1.目的および方法:本研究は、ベトナムにおける農協事業および農家世帯向け銀行貸付が各農家世帯の農業生産および家計に及ぼす影響を分析することによって、今後ますます重要度を増すとみられる農産物輸出国ベトナムの農業・農政動向の展望についての基礎資料を提供することを目的とする。方法としては、ベトナム農協政策のレビューを行い、ベトナムの合作社(農協)が脱集団化・市場経済化の中でどのように法的位置づけが変化したかを分析した。また事例研究として、商業的農業に対応した新型農協と集団生産時代から存続している合作社の経営を分析した。また管内の農村金融について実地調査を行い、農民への貸付政策が農村の現場でどのように実施されているかを把握した。2.成果の概要その1(農協について):1996年に制定され2003年に改正されたベトナム合作社法原文と協同組合原則を比較することによって、合作社は集団農業生産の執行単位から協同組合原則に沿った市場経済下の協同組合へと根本的に転換したことを明らかにした。また2つの地域で実地調査を行った。首都近郊農村では、集団農業生産を担った旧合作社が解散して改めて出資金を出した農家だけを組合員として農業サーヴィス合作社が再結成され、さらに配電事業も電気サーヴィス合作社として分離された。これらの合作社はごくわずかの組合員が管轄内のすべての世帯にサーヴィス(水利・配電)を提供しており、実際には行政の下請けを行う公益事業体に近い。これらの合作社とは独立に家畜飼料の共同購入を主目的とする畜産合作社(畜産専門農協)も結成されている。当合作社は組合員の養豚経営に著しい改善をもたらしたが、共同販売事業は展開できていない。またその組織構成と意思決定が組合長の近親者を中心にされており、今後の組織の拡大に課題を残している。また遠隔地農村においては集団農業時代の農業合作社がそのまま存続し、水利・配電・技術指導・種籾販売・ジャガイモ栽培など多様な事業を展開している。しかし合作社の利益の大半を出しているジャガイモ事業(一部の農家と契約栽培)の収益は組合員には分配されず、管内の公共事業に投資されている。また管轄内のほぼ全農家を組合員としているが共同販売事業や信用事業は展開できていない。一見総合農協に近いがその実態は協同組合とは言い難く、今後市場経済に対応した事業展開を課題として残している。2.成果の概要その2(農村金融について):遠隔地農村において、個人世帯への融資が始まった1996年から10年間の間に銀行から貸し付けを受けた全農家世帯を調査した。その結果、生産活動を名目に貸付を受けながら実際には名目と違う使い方をした農家が多数発見された。また借入金を以前の借入の返済に充当するという事実上の返済期限繰り延べも横行していた。ベトナムの銀行は個人世帯への貸付に際し、バングラデシュのグラミン銀行をモデルにした共同債務グループが結成されているが、調査村では借入者のほとんどがその機能について理解していない。また債務不履行に備えて資金を積み立ているが、その額はわずか(借入額の数%)で実際にその基金から債務に充当されることはない。にも関わらず、村落内の相互監視が機能しているため現時点では債務不履行は発生していない。だが調査村では近年兼業化が急速に進行しており、今後は村落内の地縁的結合が弱まっていくことが懸念される。
カテゴリ 経営管理 ばれいしょ 輸出

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