課題名 | 大規模畑作における輪作を基本とした園芸作物の普代型安定生産技術体系の確立 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
やませ利用 |
研究期間 | 完H13~15 |
年度 | 2003 |
摘要 | 目的:当地域では、県営畑地開発事業により約104haが新規造成畑され、大規模畑作営農が進められているが、新規開畑は腐植がきわめて少なく、塩基交換容量の低い粘質土壌で、生産性が低い状況にある。造成直後は、堆厩肥等の有機物投入を行っていたが、地区内での堆肥原料・厩肥の調達が難しく、継続した有機物の投入が図れない現状となっている。そこで、持続した野菜産地形成のため、安定して投入可能な有機物投入技術と畑輪作による土壌熟化技術の現地実証を行う。到達目標:ア 持続性の高い畑輪作の方向性を示し、実証する。 イ 有機物導入効果、輪作体系による土づくり推進。ウ 開畑から今日までの圃場別の土地利用記録と、圃場毎の土壌分析結果をもとに、土づくり・輪作マニュアルを作成する。予定成果(初年目):各種有機物による土壌物理性の改善効果が実証される。にんじん(生食用)の収量・品質向上と輪作効果(連作障害回避、土壌理化学性、物理性の改善効果等)が明らかになる。(2年目)期待効果:ア 望ましい有機物投入技術や緑肥導入による土づくり技術、連作障害対策技術を盛り込んだ輪作体系が定着し、持続的な畑輪作が可能になる。 イ ニンジン、キャベツ、ダイコンなど、高収益土地利用型野菜の栽培が定着し、地域農業の振興が計られる。成果:(1)乾燥鶏糞を投入してソルゴ-(つちたろう)を作付けし、生草6.3t/10a、乾草0.66t/10a、生豚糞を投入して、生草5.5t/10a、乾草0.6t/10a生産できた(平成11年)。(2)バ-ク堆肥を投入したニンジン(加工)の生育は堆肥増施区で7.7tの多収となった。(平成11年) (3)堆肥連用区のニンジン(加工)収量は4.2t/10aで、堆肥無施用区の3.0t/10aより多収となった。また、前年緑肥鋤込区のニンジン(加工)収量は5.2t/10aとなった。堆肥連用並びに緑肥鋤込はニンジンの生育及び収量の向上に効果が見られた(平成12年)。3年目のダイコンでは根重が優った。(平成13年) (4)輪作3年目におけるニンジン(加工)の収量は3.7t/10a、キャベツの収量は5.1t/10a、ダイコンはキスジノミハムシ被害多発により可販率は皆無、緑肥の収量は生草8.2t/10a、乾草1.0t/10aを生産できた。(平成12年)(5)土壌分析の結果から堆肥連用並びに緑肥鋤き込みにより、畑土壌の維持すべき目標値に近づいた値になりつつあるが、県内定点調査における野菜畑作土の養分実態と比較すると依然として低い値にとどまっている。可給態窒素は、農地造成前の原土土壌と比較すると、明らかに高まってきているが、熟畑化した土壌と比較すると依然として低い値となっている(平成12年、13年)。 |
研究対象 | 野菜 |
戦略 | 土地利用型農業 |
専門 | 栽培生理 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 土づくり 加工 乾燥 キャベツ だいこん 鶏 にんじん 豚 輪作 輪作体系 連作障害 |