鳥取の気象条件に適応した低コスト切り花生産技術の確立

課題名 鳥取の気象条件に適応した低コスト切り花生産技術の確立
研究機関名 鳥取県園芸試験場
研究分担 花き研
研究期間 継H13~17
年度 2003
摘要 土壌改良(排水対策)と試験場で確立したバラの高畝栽培を重粘土質の現地で実証した結果、乾物重の増加には、高畝(土壌改良)+改良仕立ての効果が高いことが明らかになった。ただし、各生産者間の管理の差が、乾物重や根の生育に影響していることも確認された。本県では日照時間が短く、長時間のCO2施用が可能なことからその効果について検討の結果、LPG燃焼式によるCO2の施用は、樹体の乾燥を伴うため十分なかん水が必要と考えられた。また、1500ppmの6時間施用でも、萌芽数の著しい増加が認められた。シクロヘキサジオン系わい化剤処理がスプレーストックの生育に及ぼす影響を検討した結果、出蕾期以降はわずかな温度差でも花首長及び花穂長に影響を受けることが明らかになった。また、潅水単独処理では伸びは小さいものの、保温処理と併用することで花首および花穂の伸びがより大きくなることが明らかになった。切り花長が短くなりやすいアイアン系品種の品質向上を図るため、潅水打ち切り時期が切り花品質に及ぼす影響を調査の結果、開花期まで潅水を行うと切り花重、切り花長などが増加し、慣行に比べて大型になることが明らかになった。しかし、花穂長が長くなり、花穂の密度が低下するなどの影響が認められ、切り花品質は低下する傾向が認められた。したがって、今後品質向上のための適切な潅水打ち切り期の検討が必要である。近年発売された新品種を中心に品種特性を明らかにし、季咲き作型における品種選定の結果、早生では '北斗星'他4品種、中生~晩生では'あすかの小桜'他4品種が適すると判断された。'パピオンローズピンク'、'モレットマリン'、'ベルミスノー'も有望と考えられ、今後、検討が必要である。輪ギクの3~4月出荷作型は、最低16~18℃の加温が必要で光熱費がかさむことから、花芽分化適温が比較的低い'神馬'の無加温・昼保温管理を検討の結果、本年度の'神馬'の無加温・昼保温栽培は、目標より1~2週間早めに開花した。これは、消灯後に高く推移した平均気温が影響したと推察される。シンテッポウユリの生育・開花に及ぼす日長の影響について検討の結果、定植後長日条件で栽培すると正常に生育開花するが、短日にすると著しく開花率が低下することが明らかになった。このことからシンテッポウユリの花芽分化には長日が必須条件であると考えられる。育苗法と定植法が露地栽培における生育に及ぼす影響について検討の結果、チェーンポットによる栽培はセル育苗に比べて開花が遅れることが確認された。一方でチェーンポットを除去して定植することで、盆の需要期までに70%以上採花できることが明らかになった。抑制栽培でもチェーンポットを除去することで採花率が向上することが明らかになった。また、栽植間隔を10cmとすると切り花重、茎径および輪数が増加し、切り花品質の向上が認められた。チェーンポット育苗による抑制栽培での品種特性は、'F1オーガスタ'は年内の採花率が高く、切り花品質も優れることが明らかになった。一方で、'さやか'および'F1セプタ'などの中生~晩生品種は年内の採花率が極めて低く、抑制栽培に適さないと判断された。
研究対象 バラ、ストック、キク、ユリ
戦略 園芸
専門 栽培
部門 花き
カテゴリ 育苗 乾燥 きく 栽培技術 CO2施用 出荷調整 新品種 ストック 低コスト 土壌改良 ばら 品種 ゆり わい化

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