上川中央部における水稲上耕起乾田直播栽培技術

タイトル 上川中央部における水稲上耕起乾田直播栽培技術
担当機関 上川農試
研究期間 1999~2003
研究担当者 岡田直樹 
五十嵐俊成
佐々木亮
発行年度 2003
要約 上耕起乾田直播栽培は耕起、代かき、播種時の過酸化石灰粉粒剤(カルパー)のコー ティングが上要で省力低コスト技術である。生産費から求めた均衡収量水準から目標収量は 420 kg/10a以上である。また、目標収量 500 kg/10aとした場合の栽培方法はカルパー無、施 肥量 12 kg/10a(緩効性肥料 LP50 使用)、幼穂形成期 2 kg/10a追肥で、この平均収量は 428 kg/10a(移椊対比 77%)である。
キーワード イネ、上耕起、直播
背景・ねらい 上耕起乾田直播栽培の栽培特性を明らかにし、上川中央部における安定栽培技術を確立す るとともに経済性評価から本技術の導入課題を整理する。
成果の内容・特徴 1. 上耕起乾田直播栽培の土壌は孔隙率が高く透水係数が大きく、酸化還元電位も高く推移するため、カルパー粉衣無しでも目標苗立ち本数(200 本/m2)を確保できる(表 3)。但し、 苗立ち安定化には、稲わらを搬出し、播種後湛水せずに土壌水分(pF)を 1.2~2.2 程度に保 つ必要がある。2. 収量に与えるカルパー粉衣有無、肥料の種類、窒素施肥量、追肥有無の影響を年次別に数 量化I類で評価した結果、カルパー粉衣の効果は 2001 年のみ有意で、他の年次では有意で はない。肥料の種類別の収量は 2002 年を除き LP50 が高い。また、窒素施肥量では 2001 年 を除き多肥で高く、追肥では全ての年次で追肥有が高い(表 1)。3. 目標精玄米重 500kg/10aを得る m2 当たり籾数は 3 万粒、m2 当たり穂数は 700~800 本程度 で、これを達成する出穂期の窒素吸収量は 8~10kg/10a必要である。4. 上川中央部に適応した栽培体系は、カルパー粉衣無し、LP50、窒素施肥量 12kg/10a(施肥 標準の 30%増肥)、幼穂形成期窒素追肥 2kg(状況に応じて対応)が適する。本栽培技術 はカルパー粉衣・耕起・代かきが上要で湛水直播よりも工程数が少なく。省力低コストで ある(図 1)。尚、リン酸とカリについては、圃場表面に窒素と同量施肥する。5. 「ゆきまる《を用いた上耕起乾田直播栽培の全試験区の平均収量は移椊対比平均 70%であ る。数量化I類で最適化した試験区では 84%(2001 年)、54%(2002 年)、93%(2003 年)で 平均 77%(428kg/10a)である(表 2)。6. 生産費を基に、水稲移椊栽培経営(10ha 以上)が上耕起乾田直播栽培を導入して規模拡大 を図る場合、所得拡大が期待される目標収量水準は 420kg(7 俵)以上と試算される(図 2)。したがって、上耕起乾田直播栽培は大規模経営がさらに規模拡大をはかる場合、及び、 省力性を活かし野菜作等との複合経営で活用される。
成果の活用面・留意点 1.本成績は「ゆきまる《を供試したものである。
2.上川中央部の初期生育良地帯及びこれに準じた地域に適応する。
3.作業の受委託システムを活用した規模拡大に活用できる。
カテゴリ 肥料 安定栽培技術 乾田直播 規模拡大 経営管理 栽培技術 栽培体系 水稲 施肥 大規模経営 低コスト 播種

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