タイトル | 大粒良質のべにばないんげん新品種「中育M52 号」 |
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担当機関 | 北海道立中央農業試験場 |
研究期間 | 1974~2001 |
研究担当者 |
黒崎英樹 佐藤 仁 南 忠 冨田謙一 |
発行年度 | 2003 |
要約 | べにばないんげん「中育M52 号」は網走地域に適応性を持つ大粒・良質の白花豆 である。収量は「大白花」に比べやや劣り、大粒規格収量は大きく上回る。甘納豆、煮豆 や総菜(コロッケ)の加工適性は同程度である。 |
キーワード | 放射線育種、煮豆、甘納豆、窒素施肥、白花豆、べにばないんげん |
背景・ねらい | べにばないんげんは胆振・網走地域で特産的に栽培されている。優良品 種としては 1976 年に育成された白花豆の「大白花」があり、網走地方で栽培されている。 胆振地方では大粒の在来種「哲郎豆」が栽培されている。近年安価な白花豆が輸入され、小 粒である「大白花」と競合しており、網走地方では差別化のため大粒の品種が切望されて いる。 |
成果の内容・特徴 | 1.「中育M52 号」は、早生、極大粒高品質化を育成目標とし、平成3年に「大白花」を γ線照射し、突然変異を誘導後、選抜、固定を進めた系統である。その後平成 13 年度 M 11 をもって選抜を終了し、平成 14 年からは北見農試および網走地方の現地において栽培性試験を実施し、網走地方での優秀性を検討した。 2.「中育M52 号」の育成地における特性は「大白花」と比べ莢の幅が広く、粒が大きい。 開花期は同じであるが、成熟期は若干遅い。莢数はほぼ同等、一莢内粒数はやや少なく、 百粒重は大きい。子実重は同品種並からやや劣る。 3.「中育M52 号」は普及見込み地帯である網走地方では、「大白花」と比べ成熟期が遅く、 莢数はやや少ない。百粒重は大きく、子実重はやや劣る。しかし、大粒規格の5分上収 量(5分の篩目上に残る子実重)は「大白花」を上回る。 4.「中育M52 号」は網走地方では開花期における窒素追肥栽培により「大白花」同様増 収効果がみられ、子実重は「大白花」に比べやや劣るが、4分上(規格内)収量は同品 種並で、5分上収量は多収である。 5.「中育M52 号」の加工適性は「大白花」とほぼ同等で、煮熟後の子葉および種皮の硬 さはやや柔らかい。甘納豆、煮豆およびコロッケの加工製品試作試験では概ね「大白花」 と同等である。 |
成果の活用面・留意点 | 1.開花盛期の窒素追肥を行う。 2.熟莢率が低いので、適期に根切りを行なうとともに、立毛で十分な乾燥を行う。 3.採種栽培では他のべにばないんげんとの自然交雑を避けるため、十分な隔離栽培する。 4.大粒なので、脱穀時の回転数を調節し損傷粒の発生を防ぐ。 |
カテゴリ | 育種 加工 加工適性 乾燥 新品種 施肥 品種 べにばないんげん |