タイトル | 秋どりメロンの糖度安定化技術 |
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担当機関 | 北海道原子力環境センター |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
後藤英次 中村隆一 平井 剛 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ‘ルピアレッド’のハウス抑制作型においては、1 葉苗(ペーパーポット V5 で育苗)を定植し、着果節位を 8~11 節とし、子づるの摘心は行わず、20 節程度までの側枝を除去することにより、糖度の安定化が図られた。 |
キーワード | メロン、ハウス抑制作型、糖度 |
背景・ねらい | 共和町は栽培面積で道内第1位(300ha、2001 年)のメロン産地である。品種は、「ルピアレッド」が全出荷量の約 48%(2003 年実績)を占めているが、8月以降に収穫とな る作型では糖度が不安定となり、製品率の低下を招いている。このため、ハウス抑制作 型において「ルピアレッド」の糖度を安定化させる栽培技術が求められている。 そこで、「ルピアレッド」のハウス抑制作型において糖度を安定化させ、低糖度果の発 生を減少させる方策を提示する。 |
成果の内容・特徴 | 1.苗質は、子葉苗では生育が初期に強く後半衰え、3葉苗では定植直後の気象条件の影響を受けやすかった。このため、1葉苗でもっとも生育が安定し、品質も高く多収であった(第1表)。 2.着果節位は、6節では糖度は高くなるが両性花の着生および着果が不安定になるとともに、生育後半に草勢が低下し、萎ちょうしやすかった。また、12 節では糖度が低くなった(第2表)。このため、着果節位は8~10 節からとする。 3.子づるを摘心すると着果期以降草勢が衰え、着果節位以上の葉身重が小さくなり糖 度が低下するため無摘心とする。また、側枝を多く残しすぎると収穫対象とならな い果実(いわゆるうらなり)の影響などにより葉身重が小さくなるため、側枝は子づるの 20 節程度まで除去する(第3表)。 4.低糖度果の発生は良果収量に大きく影響し、平均糖度が高い区ほど低糖度果が少なく良果収量が多かった(第1、2、3表)。 5.着果節位以上の葉身重が、糖度に大きな影響を及ぼした(第1図)。 6.個々の葉の色(SPAD 値)および光合成能と糖度との間には相関が認められず、糖度には、個々の葉の質よりも健全な葉の量がより大きく影響した(データ省略)。 7.生育初期および着果期が高温期で、着果期以降成熟期にかけて低温、短日条件とな る作型の気象的特徴をふまえ、1葉苗を定植し、着果節位を8~11 節とし、子づる摘心はせず、側枝は子づるの 20 節程度まで除去し、着果節位以上の葉身重(健全な葉の量)を確保することで、糖度の安定化が図られる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本試験は「ルピアレッド」を用いてハウス抑制作型で実施した。 |
カテゴリ | 育苗 栽培技術 出荷調整 品種 メロン |