肥育素牛を放牧で育てる

タイトル 肥育素牛を放牧で育てる
担当機関 道立畜試
研究期間 1999~2003
研究担当者 浦谷孝義
佐藤幸信
出口健三郎
杉本昌仁
斉藤利朗 
発行年度 2003
要約 放牧で育成した素牛は、肥育期間の採食が良好で増体が高く仕上がりが早い。出 荷月齢のバラツキが小さく肉質等級 3 レベルのそろった枝肉が生産できる。
キーワード 家畜、肉用牛、放牧
背景・ねらい 素牛市場では血統と体重を重視して取り引きされる傾向が強く、濃厚飼料多給で育成さ れる現状にあるが、このことは肥育期間の採食性や増体などを低下させる原因と考えられ ている。良い素牛を生産するためには育成期に良質の粗飼料を十分に与えることが重要で あるが、放牧草は最も低コストで良質な粗飼料といえる。
放牧だけでは十分に発育しないため、補助飼料を適切に給与する技術が必要であるが適 正な給与水準は明らかではない。また放牧期に給与する補助飼料中の蛋白質源にはバイパ ス性の高い飼料を利用することが有効だといわれているがその効果については不明な点が 多い。そこで本成績では、放牧期に与える補助飼料給与水準を検討するとともにバイパス 性の高いタンパク質飼料の給与効果および放牧育成した素牛の肥育成績について調査した。
成果の内容・特徴 1.補助飼料給与水準を代謝体重あたり50gDMとした区(GMC区)も75gDM(GHC区)とした区
も放牧期間の日増体量は 0.7kg で両者に差は認められない(表 1)。放牧期の補助飼料 給与水準を高めると食草時間および反芻時間は短くなる(図1)ことから、放牧草の摂取 量が減少することが示唆される。このことが腹囲/胸囲比(消化管発達の指標)の差につ ながっているものと思われる。
2.育成期間の日増体量は、放牧した区より舎飼いの対照区で高い値を示し、育成終了体重 も対照区で大きくなる傾向にある(表 2)。補助飼料の蛋白質源にコーングルテンミー ルを用いたHB区と大豆粕を用いたMB区の間に差は見られない。肥育期間の発育は、対 照区より放牧で育成した区の方が高く、枝肉重量も放牧育成した区の方が大きくなる。 肥育期間の飼料摂取量は、放牧した区の方が高めに推移する(図 2)。
3.公共牧場の実証試験で放牧育成した牛の肥育成績は、舎飼いで育成された牛より BMS No. は低めで肉質 3 等級レベルが中心となるが出荷月齢が短くかつその標準偏差は小さい 傾向が見られる(表 3)。
成果の活用面・留意点 1.早期離乳した去勢牛を放牧で育成する一貫農場で参考にできる技術である。 2.本成績は、滞牧日数 3 日間の輪換放牧によって得られたデータである。また、育成牛を
放牧する場合は短草利用(15~25cm 程度)を心がける。 3.放牧育成した素牛は肥育期間の発育が良好で枝肉重量は期待できるが、肉質の向上を図
るための肥育技術については検討していない。
カテゴリ 出荷調整 大豆粕 低コスト 肉牛

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