| タイトル | 乳牛の第四胃変位の発症要因とリスク評価 |
|---|---|
| 担当機関 | 道畜試 |
| 研究期間 | 2000~2003 |
| 研究担当者 |
伊藤めぐみ 寒河江洋一郎 森清一 川本哲 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | 酪農現場における第四胃変位の主要な発症要因は、分娩時の過肥および乾物 摂取量不足であり、その低減には分娩前のボディコンディションスコア(BCS)コント ロールと分娩前後の乾物摂取量確保が重要である。また、分娩翌日の血液性状および 分娩時のBCSなどから、本症のリスク評価が可能である。 |
| キーワード | 乳用牛、第四胃変位、発症要因、過肥、乾物摂取量、リスクファクター |
| 背景・ねらい | 第四胃変位は、高泌乳化・大規模化がすすめられている近年の酪農において増加傾向に ある消化器病である。これまでに多方面から本症低減のための対策が検討されているが、 未だ制御されていない。そこで、酪農現場における第四胃変位の主要な発症要因を明 らかにし、本症低減のためのポイントを示す。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.第四胃変位は80%が分娩後1ヵ月以内に発症しており、分娩の本症発症への関与 が考えられる。 2.前産次の空胎日数、授精回数、乾乳期間が増加した牛で本症の発症率が高いこと、 分娩前のBCSが3.75以上の牛で発症が多く、3.25以下では発症がなかったことから (図1)、過肥が本症発症に関連していると推察される。 3.本症多発年の牛は分娩前後の乾物摂取量が少発年に比べ有意に低い(図2)。多発 年における発症牛と非発症牛の乾物摂取量に差はないが、発症牛は過肥傾向にあっ た。分娩前後の乾物摂取量不足と過肥は本症発症に関連している。 4.妊娠末期の第四胃は、子宮の圧迫により、著しく前方へ移動・変形して認められ、 本症発症牛の第四胃形態と類似しており、分娩と本症発症との関連を示している。 乾物摂取量不足による第一胃容積の減少は、第一胃前房と第二胃の浮上を招き、浮 上によって生じた空隙のため、第四胃体部が上方に変位し易くなる。 5.過肥牛(BCS4.0)で分娩前後に乾物摂取量を制限すると、乳量が維持され、血中NE FA濃度およびGOT濃度が上昇するが、削痩牛(BCS2.5)では乳量が減少し、血中NEFA 濃度およびGOT濃度は変動しない(図3)。過肥牛は体脂肪を動員して泌乳を維持する ため、肝機能の低下を示し、これが乾物摂取量不足を増長し、本症の発症を促進す ると考えられる。 6.以上のことから、酪農現場における第四胃変位の主要な発症要因は、分娩時の過 肥および乾物摂取量不足であり、その低減には分娩前のBCSコントロールと分娩前 後の乾物摂取量確保が重要であることが示される。 7.本症発症のリスクファクターとして、分娩翌日の血中GOT濃度、NEFA濃度、3-ヒ ドロキシ酪酸濃度、グルコース濃度、分娩前のBCS、前産次の空胎日数、授精回数、 乾乳期間が挙げられる。それぞれのリスクファクターにおいて、カテゴリーランク上昇に伴い、発症危険率が高くなる(表1)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1.過肥状態での分娩や分娩前後の乾物摂取量不足を避けるよう留意することで、酪 農現場における第四胃変位の低減が可能となる。 2.今回示したリスク評価はそれぞれのリスクファクター内における発症危険率の上昇度 合いを示すものであり、リスクファクター間における危険率の大小を示すものではい。 |
| カテゴリ | 大規模化 乳牛 |
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