直播テンサイに対する低ストレス型施肥技術

タイトル 直播テンサイに対する低ストレス型施肥技術
担当機関 十勝農試
研究期間 1999~2003
研究担当者 山神正弘(上川農試) 
中津智史
笛木伸彦
白井和栄
有田敬俊
発行年度 2003
要約 直播テンサイにおいて、慣行の全量作条施肥に替わる低ストレス型施肥技術とし て全層施肥と分肥の効果を検討した結果、両者とも初期生育が向上し、増収する。ただし 全層施肥には、多雨時に窒素肥効が低下する恐れがあるので、4 月下旬~6 月の降水量の多 寡によって適用の可否を判断する。
キーワード 直播テンサイ、低ストレス型施肥技術、全層施肥、分肥、作条施肥
背景・ねらい 直播テンサイは低 pH や濃度障害等のストレスに弱いことが知られている。本研究では
慣行の全量作条施肥に替わる低ストレス型施肥法として全層施肥および分肥の2つを取り 上げ、これらの有効性を検討する。
成果の内容・特徴 1.全層施肥の初期生育向上効果は明らかであり、増収(糖量で平均 5%)が期待できる(図
1)。ただし全層施肥には雑草発生を助長する恐れがあるので、より適期防除に努める。 2.分肥の初期生育向上効果も明らかであり、増収(糖量で平均 5%)が期待できる(図1)。 3.全層施肥は全量を基肥として与える。分肥の基肥は、窒素を 4kg/10a 程度とし(初期生
育確保に必要なスタータ窒素量、北海道施肥ガイド)、他の肥料要素(リン酸、カリ他)
を全量作条とする(表1)。 4.分肥の窒素は、その施肥量を(北海道施肥ガイドに準じた窒素施肥量)-(作条基肥として
施用した窒素施肥量)から算出し、尿素または硫安で表面散布する。散布時期は出芽揃
期~2葉期(おおむね 5 月上旬~下旬)とする(表1)。 5.全層施肥の窒素吸収量は作条施肥と同等であり、分肥の場合は作条施肥と同等~やや優
る(図2)。 6.全層施肥では施肥作業が若干軽減され、分肥では分肥作業が増えるが大きな負担増では
ない。 7.全層施肥は春~初夏(4 月下旬~6 月)が乾燥した場合により効力を発揮する施肥法であ
るが、一方では多雨時に肥料の流亡を助長し、窒素肥効が低下する危険性がある(表2、
表3)ので、表4を目安に適用の可否を判断する。 8.分肥は全道に適用可能で、特に 4 月下旬~6 月の降水量が多く全層施肥が適用できない
地帯で効力を発揮する施肥法である。ただし窒素表面追肥の散布時期が早すぎると発芽 不良の危険性があり、また 6 月以降では窒素肥効が遅れる。
成果の活用面・留意点 1.本施肥技術はテンサイ直播栽培に適用する。 2.全層施肥での増肥は不要である。 3.亀裂の発達しやすい低地土等に全層施肥を適用した場合、一時的な多雨で窒素が
下層に移動し、肥効が低下する恐れがある。 課題名:直播てんさいに対する低ストレス型施肥技術(普及推進)
1400 1200 1200 1000 1000
1400
800 800
40
30
20
10
40
30
20
10
全層平均:970 (105)
作条平均:927 有意差:p<0.01 **
分肥平均:980 (105)
作条平均:935 有意差:p<0.01 **
全層平均:19.4
作条平均:19.3 有意差:なし
分肥平均:22.8
作条平均:20.5 有意差:なし
600
600
10
20 作条施肥区の全N吸収量(kg/10a)
40
10 20 30 40 作条 施 肥 区全 N 吸収 量 ( k g / 1 0 a )
600 800 1000 1200 1400 作条施肥区の糖量(kg/10a)
600 800 1000 1200 1400 作条施肥区の糖量(kg/10a)
30
図1 全層施肥および分肥の増収(糖量)向上効果
図2 全層施肥および分肥と作条施肥の収穫期 窒素吸収量の比較
( で囲んだ地点は液状有機物多量散布圃場。地力ムラが多い。)
施肥法
全層施肥
分肥
作条混和施肥 (平成 9 年指導参考)
カテゴリ 肥料 病害虫 乾燥 雑草 直播栽培 施肥 てんさい 発芽不良 防除

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