タイトル | ながいものねばり評価法と品質(乾物率・ねばり)向上対策 |
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担当機関 | 北海道立中央農業試験場 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
加藤 淳 小宮山 誠一 西田 忠志 鳥越 昌隆 田中 静幸 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ながいものねばりはラピッドビスコアナライザー(RVA)による粘度測定で評価が 可能である。ながいもの乾物率およびねばりの目標値は 17%および 82RVU であり、これらの 向上には「北海道施肥ガイド」の遵守(窒素施肥量 15kg/10a)およびつる切り時期を茎葉黄変 期以降とする等の対策が必要である。 |
キーワード | ながいも、とろろ、乾物率、ねばり、官能評価 |
背景・ねらい | ながいもの高品質化を進めブランドを確立するためには、貯蔵性に影響を及ぼす「乾物率」 や食味に影響を及ぼす「ねばり」等の内部品質の向上が重要である。本研究ではながいものね ばり評価法の開発、官能評価に基づく乾物率・ねばりの目標値設定、乾物率・ねばりの変動要 因解析と向上対策および簡易迅速な品質評価法の適用性について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1.ながいものとろろの調製方法および回転粘度計による粘度測定方法の手順は図 1 に示す。 2.官能評価によるねばり評価値とラピッドビスコアナライザー(RVA)による粘度測定値 は整合性が高く、RVA による粘度測定によりねばりの評価が可能である(表 1)。また、RVA 粘度の差がおよそ 6RVU を上回ると官能によるねばりの差が感知できる。ながいものねば りの目標値は官能評価におけるねばりの評価値(「普通」の値= 4.0)から RVA 粘度で 82RVU(RB-100 換算値で 3.1Pa・s)である(図 2、表 2)。 3.乾物率の目標値は 10 月 15 日(茎葉黄変期)時点で到達していると推定される 17%である (図 3、表 2)。 4.乾物率は比重と高い正の相関が認められ、ライマン計等による比重測定によって乾物率の 評価が可能である(図 4)。 5.乾物率およびねばりは窒素施肥量の増加および茎葉黄変期前のつる切りにより低下するた め(図 5、3)、ながいもの品質(乾物率・ねばり)向上のためには、「北海道施肥ガイド」遵守(窒素施肥量 15kg/10a)およびつる切りを行う場合は茎葉黄変期(概ね 10 月 15 日) 以降とする等の対策が必要である。 |
成果の活用面・留意点 | 1.回転粘度計によるねばり評価法は、官能評価を反映し広く適用可能であり、簡易・迅速な ねばり測定のため RVA は道立農試、RB100 型は携帯が可能なため現地等での簡易評価に適 する。 2.栽培環境改善によるながいもの品質(乾物率・ねばり)の向上が図られる。 |
カテゴリ | 施肥 評価法 良食味 |