関東北部の転換畑におけるナタネ品種「キラリボシ」の機械化栽培法

タイトル 関東北部の転換畑におけるナタネ品種「キラリボシ」の機械化栽培法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2005~2007
研究担当者 松崎守夫
岡田謙介
安本知子
冨樫辰志
梅田直円
加藤仁
谷脇憲
発行年度 2007
要約  関東北部では霜柱による凍上害を避けるため,10月中に播種する。転換畑では播種時の冠水害を軽減するため,小明渠浅耕播種機を用いる。栽植密度は少なくとも30本/m2以上とし,春季の追肥を行う。ナタネの莢が退緑した後、普通型コンバインで収穫する。
キーワード ナタネ、「キラリボシ」、湿害、小明渠浅耕播種機、追肥
背景・ねらい 近年、地球温暖化対策として、油糧作物由来のバイオディーゼル燃料が脚光を浴びている。ナタネは油脂含有率が約40%と高く、国内でも導入可能な油糧作物と考えられる。ナタネ栽培体系は1960年代に確立されているが、機械化栽培についての知見は少ない。また、近年、国内でも食用に適した無エルシン酸品種が育成されており、中でもダブルロー(無エルシン酸・低グルコシノレート)品種「キラリボシ」は食用としても有望であり、食用として利用した後、バイオディーゼル燃料にする多段階利用が可能である。そこで、ナタネ品種「キラリボシ」の機械化栽培体系を策定する。
成果の内容・特徴
  1. 栽培は、ほぼ既往の耕種概要に準じる(表1)。関東北部は冬期の降雪が少ないものの,霜柱による凍上害がありうるため、越冬前の生育を確保するよう,10月中に播種する。播種時の冠水害が問題となることがあるが,小明渠浅耕播種機(注)で2m間隔に小明渠を設けることで,地表排水を図ることができる。
    注)平成16年度関東東海北陸農業成果情報「ダイズの湿害軽減のための広畦成形・浅耕播種技術」(http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2004/kanto/kan04005.html)
  2. 栽植密度が低くなると収量が減少するので、30cm程度の畦幅で、栽植密度は少なくとも30本/m2以上となるようにする。いずれの栽植密度でも,春季に窒素4kgN/10a程度を追肥することで増収を図ることができる(図1)。
  3. ナタネの粒重の増加が停止する時期には,種子水分は40%程度に減少しているが,莢水分・茎水分は80%程度と高いままである(図2)。普通型コンバインで収穫するのは、莢が退緑し,莢・茎水分が低下してからが望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、茨城県つくばみらい市の約2haの圃場で4年間ナタネ-ヒマワリを栽培した結果に基づく。
  2. 隣接水田に対する承水溝として額縁明渠を施工する。
  3. 排水不良圃場ではナタネの収量が劣るため、特に転換初年目の圃場選定に注意する。
  4. 転換初年目で砕土性が不十分の場合は、播種前に1回耕うんを行う。
  5. 栽植密度30株/m2、千粒重4gとすると必要播種量は120g/m2程度となるが、発芽率が低下する可能性があるため、300~500g/10a播種する。
図表1 210095-1.gif
図表2 210095-2.gif
図表3 210095-3.gif
カテゴリ 温暖化対策 機械化 栽培体系 湿害 水田 大豆 なたね 播種 ひまわり 品種

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