タイトル |
ドットブロットハイブリダイゼーションを用いたキクわい化ウイロイドの検定 |
担当機関 |
兵庫県立中央農業技術センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
塩飽邦子
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発行年度 |
1996 |
要約 |
キクわい化ウイロイド(CSVd)の遺伝子をクローニングし、そのクローンを鋳型としPCRでDIG標識DNAプローブを合成する。このプローブを使いドットブロットハイブリダイゼーションでCSVdを検定すると迅速、高感度に検出することができる。
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背景・ねらい |
兵庫県では、逆転写-遺伝子増幅法(RT-PCR)を用いたキクわい化ウイロイドの検定方法を確立し、迅速で確実な検定法として普及員に指導し、農家のキクの検定に利用している。さらに、安価でより迅速な検定法として、DIG(ディゴキシゲニン)標識DNAプローブを用いたドットブロットハイブリダイゼーションによる検定法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- CSVd遺伝子をRT-PCRで増幅し、pUC119のSmaⅠサイトにクローニングし、これを鋳型にPCRでDIG標識プローブを作製する(図1)。
プライマーの配列:相補型;GCCCCAGCCGCGATCTCGTC、相同型;GACAGGAGTAATCCTAAAC - キク葉0.05gを緩衝液(0.5M NaCl、0.1M Tris-HCl、0.5%SDS、0.25%
DIECA)で磨砕し、0.5mlのフェノール/クロロフォルムを加えRNAを抽出し、エタノール沈殿する。沈殿を乾燥後20μlの蒸留水に懸濁する。その2μlを変性してナイロン膜にスポット後、風乾する。ナイロン膜を120℃で30分間ベーキングした後、薄手のプラスチック容器に入れ、100℃で2分間変性したDIG標識プローブとハイブリダイゼーションする。酵素標識抗DIG体を結合させ、基質、発色剤を反応させて青紫色の発色を確認する。 - CSVd接種株は青紫のスポットを示すが、無接種株はスポットができない(図2)。接種試料を段階希釈し、検定すると100倍から1,000倍の希釈でも陽性反応が確認できる(図3)。
- 検定の精度は生物検定やRT-PCRと比べ同程度で、検定期間が1.5~2.0日と短く、1度に扱える検体数も多く(50個体/1人)、優れた検定法である。
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成果の活用面・留意点 |
- この方法は微量の試料で短期間のうちに効率よく検定できるので、繁殖母本や培養幼植物の保毒検定にも適用できる。
- 操作はやや煩雑で、技術的な熟練が必要である。普及に移す際は、試験場で研修することが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
きく
繁殖性改善
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