蒸切干加工用カンショ新品種候補系統「九州118号」

タイトル 蒸切干加工用カンショ新品種候補系統「九州118号」
担当機関 九州農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 山川理
石黒浩二
熊谷亨
甲斐由美
吉永優
発行年度 2000
要約 カンショ「九州118号」は、多収で蒸切干の加工適性が優れ、蒸切干用カンショ栽培地域に適する。肉色の黄色が濃くペースト加工用にも適する。九州農業試験場・畑地利用部・甘しょ育種研究室(九州沖縄農業研究センター畑作研究部サツマイモ育種研究室)
背景・ねらい カンショ蒸切干は茨城県を中心に生産され、生産県の地域経済に貢献してきた。しかし、近年安価な輸入品が増加傾向にあり、需要の確保が問題となっている。現在の蒸切干用品種「タマユタカ」は命名登録から40年経過し、より品質の優れる加工用品種が要望されている。
成果の内容・特徴
  1. 「九州118号」は、昭和63年に「九系70」を母、「ベニオトメ」を父として交配し、選抜した系統である。
  2. 上いも重は、「高系14号」より20%(育成地)高い。
  3. 蒸切干の糖化は「タマユタカ」と同程度、加工適性は繊維が少なく、剥きやすく、色上がりが良いことなどから「タマユタカ」より総合的に優れる。
  4. 蒸しいもの食味は「やや上」で「高系14号」より優れ、蒸しいもの肉色は黄色が濃くペーストの加工用にも適する。
  5. 病虫害抵抗性は、サツマイモネコブセンチュウに「強」、ミナミネグサレセンチュウに「中」、黒斑病に「中~やや弱」である。
  6. 貯蔵性は、「やや易」である。
成果の活用面・留意点
  1. 蒸切干用カンショ栽培地域に適する。
  2. ミナミネグサレセンチュウ抵抗性が「中」、黒斑病抵抗性は「中~やや弱」なので、同病虫害の多発地帯では防除に努める。
図表1 221390-1.jpg
カテゴリ 病害虫 育種 加工 加工適性 かんしょ 新品種 抵抗性 品種 防除 良食味

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