酒米タンパク質の近赤外分析法による簡易測定法の開発

タイトル 酒米タンパク質の近赤外分析法による簡易測定法の開発
担当機関 兵庫県立北部農業技術センター
研究期間 1996~1996
研究担当者 永井耕介
小河拓也
中川勝也
発行年度 1996
要約 酒米における醸造適性の最重要の評価項目であるタンパク質含量を玄米状態と白米(搗精率70%)状態で迅速に精度良く測定できる近赤外分光法の検量線を開発した。
背景・ねらい  酒米では、タンパク質の多少が醸造好適米の最重要評価項目とされている。酒米のタンパク質含量の正確な測定のため、現在の近赤外分光法の飯米の白米用検量線を適応する方法では、酒米の搗精歩合が異なり誤差を生じる可能性がある。また酒米の搗精には多くの時間を要する問題もある。そこで、醸造適性評価のための白米及び玄米による精度の高い酒米専用タンパク質含量定量の検量線を作成した。
成果の内容・特徴
  1. 酒米の玄米、白米ともタンパク質含量の化学分析値はケルダール窒素蒸留法で測定した値である。また、白米は搗精率が70%条件としている。スペクトルデータは白米及び玄米の粉末(0.5mmメッシュ)をBRAN+LUEBBE社のInfrAlyzer500型で測定した。
  2. 酒米の玄米測定検量線の作成には「山田錦」、「兵庫北錦」他64品種・16系統を検量線作成用として60点、検量線評価用として20点を用いた。サンプルのタンパク質含量の範囲は5.5%~8.5%である。検量線は原スペクトルを用い2128、2204、2224、2272nmの4波長で、重相関係数 R=0.977、SEE(標準誤差)=0.17である(表1、図1)。
  3. 未知サンプルを用いた検量線の評価は、SEP(予測誤差)=0.18、CV%(変動係数)=0.84である(図3)。
  4. 酒米の白米測定検量線は「山田錦」、「兵庫夢錦」他60品種・1系統を検量線作成用として47点、検量線評価用として17点を用いた。サンプルのタンパク質含量の範囲は3.6%~5.3%である。検量線は原スペクトルを用い1744、1776、1792、2192、2272nmの5波長 、重相関係数 R=0.98、SEE=0.099である(表2、図2)。
  5. 未知サンプルを用いた検量線の評価は、SEP(予測誤差)=0.093、CV%(変動係数)=0.73である(図4)。
成果の活用面・留意点  開発したモデル検量線は1か年の試料を基に作成しているため、検量線の年次間変動を毎年調査し、バイアス補正を行う。
図表1 210238-1.jpg
図表2 210238-2.jpg
図表3 210238-3.jpg
図表4 210238-4.jpg
図表5 210238-5.jpg
図表6 210238-6.jpg
カテゴリ 簡易測定 近赤外分析 酒造好適米 品種

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