昆虫ウイルス由来遺伝子導入イネの、鱗翅目昆虫に対する耐虫性効果

タイトル 昆虫ウイルス由来遺伝子導入イネの、鱗翅目昆虫に対する耐虫性効果
担当機関 滋賀県農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 近藤 篤
森 真理
長谷川 美克
渡辺 健三
北村 治滋
発行年度 1997
要約 昆虫の顆粒病ウイルス由来 Viral EnhancingFactor 遺伝子を導入した組換えイネをアワヨトウ等の鱗翅目昆虫に摂食させた結果、成育遅延、蛹化の異常、羽化率の低下及び核多角体病ウイルスの感染増進などの耐虫性効果を確認した。
背景・ねらい  昆虫の顆粒病ウイルスに存在する Viral
Enhancing Factor (VEF) 蛋白質は、鱗翅目昆虫の幼虫の中腸に作用し、囲食膜を構造的に破壊すると報告されている。そこで、VEF遺伝子をイネに導入し、鱗翅目昆虫に対する耐虫性付与の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 日本晴のプロトプラストにポリエチレングリコール法によりVEF遺伝子を導入し、12系統のカルスを得た。PCR分析の結果、2系統で遺伝子導入を確認し、各系統から5個体(Line 1~5 )、10個体(Line 6~15 )の計15個体が再分化した。サザン分析、ノーザン分析の結果、3個体 ( Line 8,14,15 )でVEF遺伝子の発現が確認できた(写真1 )。
  2. VEF遺伝子の発現が最も強かった組換えイネ(Line 8 )の葉を20 %添加した人工飼料で、ふ化直後から飼育したアワヨトウは、非組換イネ添加飼料で飼育したものより、飼育10日目で体重増加が38%抑制された。また、羽化率も飼育38日目で39%低下した。このような現象は、組換えイネの葉を5%添加した人工飼料で飼育した他の鱗翅目昆虫であるシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウでも同様に観察された(表1)。
  3. 組換えイネ( Line 8 )をポット栽培し、アワヨトウを2齢期から放飼した結果、非組換イネに放飼したものより、放飼8日目で体重増加が23%抑制された(図2、写真2) 。
  4. シロイチモジヨトウ幼虫のLD50 値に相当する核多角体病ウイルス (SeNPV) 粒子数は、組換えイネでは1.8×104個、非組換えイネでは72.5×104個となり、組換えイネの感染率は約40倍増幅された。
成果の活用面・留意点  VEF遺伝子を導入した本組換えイネは、鱗翅目昆虫に対して耐虫性効果を示すことが明らかになったため、将来の耐虫性育種への利用に備え、安全性評価実験等を検討する必要がある。
図表1 210493-1.gif
図表2 210493-2.gif
図表3 210493-3.gif
図表4 210493-4.gif
カテゴリ あわ 育種

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